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2023 Fiscal Year Research-status Report

重症心不全患者における消化管出血発症のメカニズムとアンジオポエチン2の関連

Research Project

Project/Area Number 21K08074
Research InstitutionUniversity of Toyama

Principal Investigator

中村 牧子  富山大学, 学術研究部医学系, 助教 (80860262)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 今村 輝彦  富山大学, 学術研究部医学系, 准教授 (80746652)
絹川 弘一郎  富山大学, 学術研究部医学系, 教授 (00345216)
Project Period (FY) 2021-04-01 – 2026-03-31
Keywords後天性フォンビルブランド症候群 / 機械的補助循環 / 心原性ショック / 血管新生 / 右心不全
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は、重症心不全患者、特に補助人工心臓患者(LVAD)における消化管出血発生のメカニズムとアンジオポエチン2の関係を明らかにすることです。
2022年度は経皮的LVADであるIMPELLA補助を受けた患者を対象に、アンジオポエチン2と消化管出血および30日予後について調査しました。IMPELLA開始後のアンジオポエチン2高値は有意に30日死亡と関連がありましたが、消化管出血発症との有意な関連はありませんでした。
また植込型LVAD患者においてもアンジオポエチン2を測定しましたが、消化管出血を2回発症した例で、出血イベントの際アンジオポエチン2は上昇しておらず、他の植込型LVAD患者において右心不全を有する例や感染症の併発例でアンジオポエチン2は高値で推移しており、これらの症例で消化管出血の発症はありませんでした。
2023年度はFontan術後の小児患者において、他の開心術例よりアンジオポエチン2が上昇しており、またFontan術後例の中でも低酸素が高度な例ほどアンジオポエチン2の上昇がみられ、アンジオポエチン2高値例では死亡やFontan循環に関連したイベントの発生が有意に多いことがわかりました。またCTEPH患者においてBPA後にほぼ全例でアンジオポエチン2は低下することがわかりました。
以上より、重症心不全(特に右心不全や低酸素血症の強い例)ではアンジオポエチン2が上昇しており、死亡や多臓器障害のサロゲートマーカーとなりえるものの、消化管出血イベントの発生自体は、アンジオポエチン2のみならず、患者の年齢や血管性状、抗血栓薬の服用など患者要因も寄与することが考えられました。2023年より完全磁気浮上型遠心ポンプであるHeartMate3が植込型LVADの主流となり、従来の軸流ポンプであるHeartMateIIより消化管出血の発生率低下が報告されています。LVAD患者におけるアンジオポエチン2と消化管出血を含む有害事象との関係について、引き続き探索できれば考えています。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初の予想とは違う結果でありますが、調査・研究対象を広げることで、少しずつアンジオポエチン2上昇と臨床背景、予後との関係について、知見が蓄積されてきているため。

Strategy for Future Research Activity

消化管出血が明らかに少ないことが報告されている植込型補助人工心臓であるHeartMate3を植込みされた患者においてアンジオポエチン2を測定し、前機種(軸流ポンプであるHeartMateII LVAD)挿入患者と比してアンジオポエチン2の値も低いかどうかを確認し、消化管出血の発生と機械的補助循環との関係、アンジオポエチン2上昇とのメカニズムについて、さらに知見を深めたい。

Causes of Carryover

当初アンジオポエチン2の上昇自体が血管新生を惹起し、植込型LVAD患者に血管異形成をもたらし消化管出血をひきおこすと想定していたが、データ収集に伴い、アンジオポエチン2は炎症や右心不全など全身状態悪化のサロゲートマーカーにはなるものの、それ自体が消化管出血をひきおこすのではない可能性が考えられた。当初の仮説が異なっている可能性があり、さらにデータを蓄積する必要がある。

  • Research Products

    (4 results)

All 2024 2023

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (3 results)

  • [Journal Article] Serum Angiopoetin-2 Levels in Pediatric Patients After Fontan Operation2023

    • Author(s)
      Ibuki Keijiro、Imamura Teruhiko、Nakaoka Hideyuki、Takarada Shinya、Okabe Mako、Ozawa Sayaka、Kinugawa Koichiro、Hirono Keiichi
    • Journal Title

      The American Journal of Cardiology

      Volume: 203 Pages: 23~28

    • DOI

      10.1016/j.amjcard.2023.06.112

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] Impact of BPA on Serum Angiopoietin-2 Levels in Patients with CTEPH2024

    • Author(s)
      牛島龍一, 今村輝彦, 上野博志, 飛弾結樹, 中垣内昌樹, 中村牧子, 絹川弘一郎
    • Organizer
      第88回日本循環器学会
  • [Presentation] Serum levels of angioipoetin-2 after initiation of Impella-incorporated temporary MCS on the short-term prognosis2023

    • Author(s)
      中村牧子, 今村輝彦, 上野博志, 絹川弘一郎
    • Organizer
      第87回日本循環器学会
  • [Presentation] Management of Impella-incorporated temporary MCS to reduce device-related hemolysis and bleeding2023

    • Author(s)
      中村牧子, 絹川弘一郎
    • Organizer
      第87回日本循環器学会

URL: 

Published: 2024-12-25  

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