2023 Fiscal Year Annual Research Report
線維細胞におけるインテグリンを標的とした肺線維症に対する新規抗線維化療法の開発
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21K08181
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
内藤 伸仁 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 助教 (10895931)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 肺線維症 / 線維細胞 / インテグリン |
Outline of Annual Research Achievements |
線維細胞は肺線維症における重要なエフェクター細胞とされる。最近研究代表者の所属する研究グループは、肺線維細胞の純度がより高い細胞集団を単離する方法を開発し、なかでもコラーゲンを発現する亜集団において、α9インテグリンの発現が亢進していることを見いだした。本研究では、線維細胞におけるα9インテグリンの機能と肺線維症の病態形成との関わりを検討することで、α9を含めたインテグリンシグナルが線維細胞に果たす役割を明らかにすることを目的とする。 一昨年度は、マウス末梢血単核細胞から線維細胞への誘導自体の効率が悪く、問題となっていた。昨年度は既知の報告に基づき、マウス肺組織からフィブロネクチンでコーティングしたディッシュを用いて線維細胞の誘導を試みたところ、線維細胞を単離できた。遊走能について、遊走因子としてPDGFを使用しtranswell migration assayを行い評価したところ、抗α9インテグリン抗体を加えた群では遊走した細胞数が少ない傾向がみられていた。液性因子やコラーゲン産生能について、α9インテグリンが結合するドメインを含むフィブロネクチンで線維細胞を刺激し、コラーゲンや液性因子の発現に与える影響をRT-PCRを用いて評価した。結果、フィブロネクチン刺激により、Col1a1、PDGF-B、TGF-βの発現に影響はなかった。 今年度はアイソタイプコントロール抗体を加えた群を対照として遊走実験を反復したところ、抗α9インテグリン抗体を加えた群で遊走細胞数が有意に減少することを見いだした。
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