2021 Fiscal Year Research-status Report
歯周病レッドコンプレックスとIgA腎症発症進展機序解明と新規治療法の開発
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21K08242
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
長澤 康行 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (10379167)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仲野 道代 (松本道代) 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (30359848)
野村 良太 広島大学, 医系科学研究科(歯), 教授 (90437385)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | IgA腎症 / 歯周病菌 / Porphyromonas gingivalis |
Outline of Annual Research Achievements |
IgA腎症患者の摘出扁桃において病原性の高いRedComplexに属する歯周病菌が有意に高く検出されることを見出した。また、この病原性の高い歯周病菌のひとつである、Porphyromonas gingivalisをマウスに継続して経鼻投与することで腎糸球体にIgAの沈着とメサンギウム基質の増生というIgA腎症特有の病変を惹起することが出来ることを見出だした。この一連の研究を、International Journal of Molecular Scienceに原著として報告した(Nagasawa Y, Nomura R, Misaki T, Ito S, Naka S, Wato K, Okunaka M, Watabe M, Fushimi K, Tsuzuki K, Matsumoto-Nakano M, Nakano K. Relationship between IgA Nephropathy and Porphyromonas gingivalis; Red Complex of Periodontopathic Bacterial Species. Int J Mol Sci. 2021 Dec 1;22(23):13022. doi: 10.3390/ijms222313022.)。また、この病原性の高い歯周病菌やコラーゲン結合能が上昇するcnm蛋白を持つ齲蝕菌のような口腔内細菌が、IgA腎症を惹起するメカニズムに関して現在想定しうる仮説とそれを支持するエビデンスを総説としてまとめ、International Journal of Molecular Scienceに報告した。これらの報告は、口腔内の衛生状態を良い状態で維持することがIgA腎症患者の予後を良くすることに寄与することを意味しており、大学内でも高く評価され、大学の公式ホームページにトピックスとして紹介された。さらに読売新聞にも同様の内容が紹介される記事が掲載され、広く公共に周知することになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
病原性の高い歯周病菌のRedComplexがIgA腎症の発症に深く寄与していることを見出し論文として報告した。また、そのことを証明するマウスモデルの樹立にも成功している
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Strategy for Future Research Activity |
歯周病菌の種類としては病原性が最も強いRed Complexに次いで病原性の強いOrange Complexが多数ある。この一群の歯周病菌の検討をさらに行っていく。また、Porphyromonas gingivalisをマウスに継続して経鼻投与することでIgA腎症の発症を行うマウスモデルについて、さらなる詳細な検討と共に新規治療ターゲットの開発を行っていく。
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Causes of Carryover |
本年は、コロナの影響があり、海外学会に参加することが出来ず旅費相当分が残金として残った。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Relationship between IgA Nephropathy and Porphyromonas gingivalis; Red Complex of Periodontopathic Bacterial Species.2021
Author(s)
Nagasawa Y, Nomura R, Misaki T, Ito S, Naka S, Wato K, Okunaka M, Watabe M, Fushimi K, Tsuzuki K, Matsumoto-Nakano M, Nakano K.
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Journal Title
Int J Mol Sci.
Volume: 22
Pages: 13022-13035
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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