2022 Fiscal Year Research-status Report
ヒトiPS細胞由来間葉系幹細胞を用いた新規腎疾患治療法の開発
Project/Area Number |
21K08253
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田中 章仁 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (20846290)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石本 卓嗣 愛知医科大学, 医学部, 教授 (00534835)
丸山 彰一 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (10362253)
古橋 和拡 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院講師 (50835121)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 間葉系幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト人工多能性幹細胞(iPS細胞)から分化誘導した間葉系幹細胞(MSC)を用いて実験を行った。もともと当教室ではMSC、特に低血清培養脂肪由来MSC(LASC)の研究が精力的に行われており、LASC研究での実績を参考に、実験に用いるモデル動物の作製、細胞の投与プロトコルや、治療効果を評価するプロトコルの確立も行った。iPS細胞から分化誘導したMSC(iMSC)を用いた腎疾患モデル動物への治療実験を行っていく中で、一定の治療有効性は示された。その実験の中で、細胞側の条件として、iMSCは、骨髄由来MSCに比較して老化しにくく、長期間継代が可能であり、また継代と共にその性質を変化させていくことも明らかになった。そのため、iMSC投与に際して、その治療効果を最大とする、最適な細胞条件の検討を進めている。また治療効果と関連する機序解明についても、有効性の異なる細胞条件ごとに、有効性と関連付けながら、確認を進めている。 研究の今後の発展を見据えて、大型モデル動物の作製を進めている。大型モデル動物への治療効果を踏まえ、最終的にはヒトへの応用を進めていくことを計画している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
iPS細胞から誘導したMSCの、腎疾患に対する有効性については確信を得つつある。また、iMSCは老化しにくく継代を長期間継続することが可能であるため、ヒトへの応用を考えた際に、大量の細胞数を確保する点に関して、有利であることが明らかになった。ただし細胞側の条件により、その有効性の高さには変化があるようであり、最適な条件を確立していくための実験を継続している。さらに有効性の高さと関連付けて、機序解析などを進めている。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後はiMSCの、腎疾患に対する最も高い有効性を得られる細胞条件を決定し、それを用いたiMSCによる腎疾患モデル動物の治療方法を確立する。大型モデル動物へも展開し、最終的にはヒトへの応用を目指す。また、解明された機序から、iMSC治療をさらに洗練させていく。
|