2021 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of the mechanism of peritoneal dialysis-related peritoneal injury through complement pathway and establishment of novel anti-complement therapy.
Project/Area Number |
21K08275
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
鈴木 康弘 名古屋大学, 医学系研究科, 特任講師 (20584676)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石本 卓嗣 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (00534835)
水野 正司 名古屋大学, 医学系研究科, 特任教授 (20303638)
金 恒秀 名古屋大学, 医学系研究科, 特任助教 (40745238)
伊藤 恭彦 愛知医科大学, 医学部, 教授 (60402632)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 人工透析学 / 腹膜透析 / 補体活性化 / 補体制御 / 腹膜傷害 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 腹膜透析(PD)患者のPD排液から得られる中皮細胞の初代培養細胞(HMPC)を用いて補体活性化を検討した。3つの膜補体制御因子(CReg)、CD46、CD55、CD59について、PD継続期間の前後1年でPCR、FACSを用いて、mRNAと蛋白の発現を観察した。結果は、CD46、CD55、CD59の中で、CD46とCD59の発現が、mRNAレベルと細胞表面蛋白発現の両方で有意に増加していることを確認した。一方で、CD55の発現には有意な変化を認めなかった。HMPC作成のために回収したPD排液中のsC5b-9レベルも低下していることを示し、一部を学会発表まで進めた。 2. 腹膜中皮細胞上のCReg発現の変化が起こる原因について、現在、長期腹膜透析が、生体の腹膜に与える影響、特に補体活性系とその制御系のバランスに与える影響の検討を継続して進めている。現時点で、腹膜中皮細胞の解析が不十分であり、腹膜中皮細胞(Met-5A 細胞株)の解析を継続中である。本年度は、乳酸、ブドウ糖、pHの影響、特に前者は反復刺激による影響を確認し、一部を学会発表した。引き続き、次年度、1と2について、論文化を進めるための作業を進める。また、single cell解析はデータベースで行い、次年度は、1と2で得られた結果と比較検討を進める。 3. 腹膜傷害への治療介入を期待して、現在、補体の終末経路を抑制する中和抗体を用いて、真菌性腹膜炎の実験動物モデル(ラット)での炎症細胞集積、脈管新生、及び線維化進展などの腹膜傷害の進展への補体終末経路の役割の検討を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験計画1についてはほぼ計画通りに進んでいる。我々の研究グループの継続研究によりデータの蓄積が進んだ。経時的に腹膜透析患者から得た、ヒト腹膜中皮細胞初代培養細胞(HMPC)における膜補体制御因子のPCRによるmRNAとFACSによる蛋白発現の変化を捉えることができ、今年度は、成果の一部を第27回 日本腹膜透析学会で報告した。 実験2の腹膜組織の解析についてはまだ解析途中である。 実験3はヒト中皮細胞であるMet-5A細胞株を用いて、1.で得られたHMPC上のCRegの変化について、PD液の各成分による解析を進めている。一定のデータの蓄積は進み、再現性の取れた結果について上記1と共に学会で報告した。また、既存のsingle cellから得られたデータベースを用いて、我々が得つつある結果と主に次年度以降に解析を進めていく予定である。 実験4について、これまで我々の開発した真菌性腹膜炎動物モデルを用いて、in vivoでの補体の役割、補体治療の可能性について、検討してきた。本年度はこれまで未知の補体終末経路に注目して、中和抗体を用いた動物を開始した。次年度以降も、解析を進めていく。
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Strategy for Future Research Activity |
実験計画1については、これまでに明らかにした結果について報告し、不足している母集団を増やしてきた。その結果、再現性がほぼとれたため、次年度以降、結果をまとめて公表していく方向で進めていく。 実験2、3について、今後は腹膜炎、尿毒症物質、腹腔内へのPD液成分の影響等、腹膜透析による腹膜中皮細胞、その他細胞上のCReg発現への影響、補体系への影響について、実験を進めていく。 実験4について、真菌性腹膜炎動物モデルにて今後補体終末経路活性化阻害抗体を用いて実験を進めていく。 また、上記の結果をまとめて公表していく。
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Causes of Carryover |
購入試薬について、海外からの輸送による遅延、特にプラスチック製品の欠品が多く、代替品を探す作業が多く、実験の計画に多少の影響が出たため。腹膜炎、尿毒症物質、腹腔内へのPD液成分の影響、腹膜透析による腹膜中皮細胞、その他細胞上のCReg発現への影響、補体系への影響を検討するために使用する。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Refractory hypotension caused by selenium deficiency in a patient on peritoneal dialysis.2021
Author(s)
Ryuge A, Kim H, Suzuki Y, Okazaki M, Kojima H, Saito S, Kato N, Ishimoto T, Kosugi T, Maruyama S, Mizuno M.
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Journal Title
Intern Med.
Volume: 60
Pages: 2461-2464,
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Safety and utility of the alpha replacer for treatment of intraluminal obstruction of peritoneal catheters by fibrin clots.2021
Author(s)
Asasi A, Kinashi H, Suzuki Y, Kojima H, Sato Y, Matsuola N, Asai N, Kuroyanagi Y, Yamaguchi M, Nobata H, Katsuno T, Ishimoto T, Mizuno M, Ito Y.
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Journal Title
Clin Exp Nephrol.
Volume: 25
Pages: 418-427
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Low GDP, pH neutral solutions preserve peritoneal endothelial glycocalyx during long term peritoneal dialysis.2021
Author(s)
Sugiyama N, Tawada M, Sun T, Suzuki Y, Kinashi H, Yamaguchi M, Katsuno T, Aten J, Vlahu CA, van Kuppevelt TH, Takei Y, Ishimoto T, Maruyama S, Mizuno M, Ito Y.
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Journal Title
Clin Exp Nephrol.
Volume: 25
Pages: 1035-1046
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Demographic, clinical characteristics and treatment outcomes of immune-complex membranoproliferative glomerulonephritis and C3 glomerulonephritis in Japan: A retrospective analysis of data from the Japan Renal Biopsy Registry.2021
Author(s)
Nakagawa N, Mizuno M, Kato S, Maruyama S, Sato H, Nakaya I, Sugiyama H, Fujimoto S, Miura K, Matsumura C, Gotoh Y, Suzuki H, Kuroki A, Yoshino A, Nakatani S, Hiromura K, Yamamoto R, Yokoyama H, Narita I, Isaka Y.
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Journal Title
PLoS One.
Volume: 16
Pages: e0257397.
DOI
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[Presentation] Comparison of early withdrawal within three years after induction of peritoneal dialysis (PD) in the Tokai PD registries 1 and 2 in Japan.2021
Author(s)
Mizuno M, Ito Y, Suzuki Y, Kojima H, Saka Y, Morinaga T, Mizutani M, Nonaka K, Naruse N, Hiramatsu T, Ohashi N, Kasuga H, Shimizu H, Kurata H, Kurata K, Suzuki S, Horie M, Maruyama S, Matsuo S
Organizer
ISPD EuroPD Joint Congress 2020
Int'l Joint Research