2021 Fiscal Year Research-status Report
Establishment of the platform for a drug discovery of multiple myeloma by targeting PBK-related signaling pathway
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21K08426
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
太田 明伸 愛知医科大学, 医学部, 講師 (30438048)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武井 則雄 北海道大学, 医学研究院, 助教 (50523461)
花村 一朗 愛知医科大学, 医学部, 教授 (70440740)
シバスンダラン カルナン 愛知医科大学, 医学部, 講師 (30557096)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 多発性骨髄腫 / PBK / 創薬 / ノックアウトマウス / 分子病態 |
Outline of Annual Research Achievements |
多発性骨髄腫(Multiple myeloma, 以下MM)は形質細胞由来の難治性血液悪性腫瘍である。MMの臨床症状は多彩であり、治療やその効果の予測は難しい。臨床症状の原因として、細胞増殖の制御機構に異常をきたしたMM細胞の異常増殖が考えられているが、その分子学的機序には不明な点が多い。代表者は、MMの新規予後不良因子としてPDZ-binding kinase(以下PBK)を発見し、PBKがMM細胞の造腫瘍性に密接に関連することを示した。そこで本研究では、PBKを標的とした分子標的薬ならびにPBK関連分子との相互作用阻害がMMの新しい治療薬として有効である可能性を検証する方針とした。 はじめに、PBK遺伝子の生理的作用を見出す目的で、PBK遺伝子破壊(PBK-KO)マウスを樹立した。PBK-KOマウスは、正常に出産・発育し外見上特別な表現型を示さなかった。そこで、PBKが豊富に存在する精巣からRNAを抽出して、cDNAマイクロアレイ法とGene Set Enrichment Analysisにより遺伝子発現に関わる解析に着手した。 代表者は、公共のデータベースと遺伝子発現解析を利用したサブ解析から、PBKの発現レベルと高い相関性を示す遺伝子X(仮称)を見出した。遺伝子Xはインターロイキン6によって遺伝子発現が誘導され、その高発現はMM患者の生存率を有意に低下させること、MM細胞株の増殖に関連することを明らかにした。また、ゲノム編集法による内在性タグの導入と、タグ抗体を用いた免疫沈降によるプロテオミクス解析を実施し、遺伝子Xと相互作用する分子の同定を試みている。 さらに、PBKを高発現するMM細胞に対して増殖抑制効果の高い薬剤や化合物を同定するために、1500個のカスタム化合物ライブラリーを入手した。この化合物とPBKの発現を欠失させたアイソジェニッククローンを用いて、各種化合物に対する感受性の変化を解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新規分子の機能解析は、予定通りに進んでいるが、PBK-KOマウスを用いた動物モデルの構築と化合物ライブラリーを用いた細胞増殖アッセイの評価の結果が得られていない。2022年度は、主にマウスを用いた炎症モデル・腫瘍モデルの解析とマウス由来の初代培養細胞を用いたインビトロ試験を予定している。また、化合物ライブラリーを用いた細胞増殖試験を行い、PBK高発現MM細胞に高い抑制効果を示す化合物を同定する。
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Strategy for Future Research Activity |
PBK-KOマウスを用いた解析では、デキストラン硫酸ナトリウム投与による大腸炎モデル、リポポリサッカライドやPoly(I:C)投与による自然免疫の活性化モデルを用いて、PBKが炎症に与える影響を解析する。また、骨髄造血幹細胞のコロニー形成能試験を予定している。新規遺伝子Xについて、相互作用分子の同定、相互作用領域の同定、細胞周期やDNA複製に与える影響の解析を行う。さらに、化合物ライブラリーを用いた細胞増殖試験から、PBK高発現MM細胞株に増殖抑制効果を示す薬剤を同定し、MMの新規治療薬への応用を検討する。
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Causes of Carryover |
研究代表者が担当する研究内容に予想以上の進展が見られたために、年度途中で前倒し支払請求を行った。一方で、実験動物の移送の影響により分担研究者が担当する実験が当初の予定より少なくなり、残額が発生した。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] CD52 is a novel target for the treatment of FLT3-ITD-mutated myeloid leukemia2021
Author(s)
Karnan S, Hanamura I, Ota A, Takasugi S, Nakamura A, Takahashi M, Uchino K, Murakami S, Wahiduzzaman M, Quang VL, Rahman ML, Hasan MN, Hyodo T, Konishi H, Tsuzuki S, Yoshikawa K, Suzuki S, Ueda R, Ejiri M, Hosokawa Y, Takami A
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Journal Title
Cell Death Discovery
Volume: 7
Pages: 121
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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