2023 Fiscal Year Annual Research Report
The role of eosinophils in cross-talk between neuron and immune system
Project/Area Number |
21K08466
|
Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
長瀬 洋之 帝京大学, 医学部, 教授 (40365945)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 直也 帝京大学, 医学部, 助教 (40724175)
小林 このみ 帝京大学, 医学部, 助手 (70800118)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | Eosinophils / Acetylcholine / Asthma / M3 muscarinic receptor |
Outline of Annual Research Achievements |
アセチルコリン(Ach)は副交感神経伝達物質であり、気道平滑筋の収縮と粘液分泌に関連している。好酸球は肺の神経細胞の末端周辺に集積することが報告されており、Ach放出の抑制性受容体であるM2受容体 (M2R)の機能が好酸球顆粒蛋白によって抑制されることが報告されている。しかし、好酸球が神経細胞の終末周囲に集積する機序は十分に解明されていない。我々は、Achが好酸球を直接活性化するのではないかと考え、ヒト好酸球機能に対するAchの影響を検討した。 これまでの成果としては、10 mMのAchは好酸球の生存期間を有意に延長し、アポトーシスとネクローシスを減少させた。また、AchはCD11bの発現を有意に上昇させ、CD62Lの発現を低下させた。1 mMのAchに対する好酸球の有意な遊走も観察された。M3R特異的拮抗薬4DAMPはAchによる生存期間の延長を有意に抑制したが、M1Rおよびニコチン性アセチルコリン受容体 (nAChR)に対する拮抗薬は効果を示さなかったことから、Achの作用はM3Rによって媒介されていることが示唆された。 ムスカリン受容体のmRNA発現に関しては、脳組織に次いで肺組織、大腸組織での発現が著明であったが、好酸球、好中球、線維芽細胞での発現はこれらの細胞に比べて限定的であった。 2023年度は、さらにAchによるシグナル活性化経路について検討した。PD98069とLY294002はCD11bの発現上昇を有意に抑制したことから、AchによるCD11bの発現上昇はMEKとPI3K経路に依存していることが示唆された。 結論として、我々はAchが好酸球を様々な側面で直接機能的に活性化することを明らかにした。これらの知見は喘息病態における神経免疫連関のメカニズムの一端を説明できるかもしれない。
|