2022 Fiscal Year Research-status Report
The establishment of suitable model for SARS-CoV-2 infection and the analysis of their pathogenicity
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21K08510
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
大道寺 智 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (80432433)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西岡 敬介 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50790713)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ウイルス感染モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナウイルス感染症の流行は未だに収束の見込みはなく、患者数は増え続けている。当該感染症は新興感染症であり、敗血症や血栓症を起こす他、様々な後遺症を残すことも明らかになりつつある。このように感染後の症状に関しては、以前に比べて情報が増えてきた部分もあるが、一方、ウイルスそのものの細胞に対する感染機構、感染動態については未だに不明な点が多い。当該感染症について効果的な治療法の確立が望まれるが、現時点でその治療法は限られている現状がある。当該感染症に対する治療法の開発に加え、診断・予防法の確立のためにもコロナウイルスの詳細な病態解析が重要である。本研究の目的は新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対する新たな感染モデルを作成し、同ウイルスの感染機構・動態を詳細に解析することである。 本年度は感染細胞内におけるウイルス抗原検出系の確立を行った。感染細胞内でのSARS-CoV-2および季節性コロナウイルス(229E)の検出については、それぞれのウイルスに対する特異抗体でのみ検出が可能であったが、季節性コロナウイルス(OC43)についてはウシコロナウイルスをウサギに免疫して作成したポリクローナルでも検出可能であった。一方で、SARS-CoV-2および季節性コロナウイルス(OC43、229E)のそれぞれについて、感染後培養上清中へ放出されるウイルス粒子をリアルタイムPCRで検出するための条件の確立を行った。それぞれのウイルスに対する特異的プライマーとTaqManプローブを作成の上、温度やサイクル数を検討し検出の最適条件を確立した。さらに感染後の培養上清をVreoE6などの感受性細胞株へ接種・培養の後に培養上清中に含まれる感染性ウイルスの数を検出した。ここで得らえた結果と、リアルタイムPCRの結果を比較し、感染性粒子の数とウイルスゲノムコピー数とが相関することを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
細胞への遺伝子導入に時間を要しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
ウイルスレセプターを細胞へ発現させ、ウイルス感染実験を行うこととする。
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Causes of Carryover |
今年度は次年度予算を前倒しして予算請求をしたため、当初予定していた額よりも予算的にやや余裕がある状況になっている。次年度は、前年度からの繰り越し額と次年度の研究費をあわせてその多くは消耗品の購入に使用することを想定している。
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Research Products
(5 results)