2021 Fiscal Year Research-status Report
大腸癌に切り込む事で生じる腫瘍学的な変化の解明と臨床への応用
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21K08739
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
牛込 創 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (00881327)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 広城 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (30381792)
廣川 高久 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (40592499)
志賀 一慶 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (20747282)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 腫瘍周囲の炎症変化 |
Outline of Annual Research Achievements |
今回の癌に切り込む事により予後に及ぼす影響を評価する研究を行うにあたり、目的をより明瞭に実現できるように実臨床における症例数を、他施設(刈谷豊田総合病院)を追加し観察期間も延長して更に蓄積し検討する方針とした。これにより内視鏡切除時に癌に切り込んでしまい追加切除となった症例(癌切り込み群)が27例から42例に、内視鏡で治癒切除したが他のリスク因子で外科的追加切除を行った症例(コントロール群)が60例から112例となった。これまで癌切り込み群で病理学的に腫瘍増殖能を評価してきたが、癌に切り込むことで生じる変化をより詳細に検討する目的で、腫瘍周囲で惹起される炎症や免疫反応に着目し評価する方針とした。具体的には内視鏡切除検体と外科的追加切除検体で新たにCD4/CD8抗体を用いた免疫染色を行い正常細胞と腫瘍細胞周囲に遊走したリンパ球(ヘルパーT+サイトトキシックT細胞)数を評価した。しかしながら癌あるいは正常粘膜周囲に遊走するリンパ球数は両検体において有意な変化を認めず、癌に切り込む事で腫瘍周囲に明らかな炎症や免疫反応が惹起されるという所見は認めなかった。今回症例数を増加させ、癌切り込み群とコントロール群で脈管侵襲、リンパ節転移、長期予後を更に調査したが、これまでの結果と変わらず癌切り込み群で脈管侵襲やリンパ節転移が増大することはなく、長期予後も良好で両群に有意差を認めず、癌に切り込むことで腫瘍学的に増悪する所見は認めなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
Covid-19患者の対応に迫られ研究に対するeffortが少なくなってしまい予定通り進んでおりません。現在までに実施した研究の詳細は研究実績の概要に記した通りです。 今後マウスや移植する大腸癌細胞株を選定し購入することを検討しています。
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Strategy for Future Research Activity |
大腸癌に切り込むことで生じる変化を解明することが本研究の目的です。実臨床の研究も進め結果を吟味し、適切な手段で研究が出来るように現在慎重に検討中です。 Covid-19が落ち着いてきたところで積極的に進めて行きたいです。
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Causes of Carryover |
今年の研究が遅れて来年へ持ち越しとなっている。 本来使用する予定であった資金も同様に来年に持ち越して使用する。
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