2021 Fiscal Year Research-status Report
間葉系幹細胞による気管支の修復メカニズムの解明 iPS細胞による気管支断端瘻予防
Project/Area Number |
21K08885
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
坂本 晋一 徳島大学, 病院, 医員 (30740675)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥羽 博明 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 准教授 (40403745)
河北 直也 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 助教 (60522266)
高嶋 美佳 徳島大学, 病院, 特任助教 (70596254)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | iPS細胞 / 気管支断端瘻 / 間葉系幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
間葉系幹細胞(MSC)には様々な抗炎症サイトカインや血管増殖因子,micro RNAやエクソソームなどを分泌することで,炎症の改善と組織修復を促すことが明らかとなってきている.我々は気管支修復過程におけるMSCの遊走を気管吻合モデル・脱細胞化モデルで確認するため, 皮下移植モデルの作成に着手した.具体的には,別のマウスから摘出した気管を切離し,8-0ナイロンで全周吻合し皮下に埋没する(完全吻合モデル),気管を1針だけ吻合し右胸部皮下に埋没する(不完全吻合モデル),脱細胞気管作成し腹部皮下に埋没する(脱細胞モデル)の3群を作成を行った. 生後6~12週齢のC57Bl/6マウスを用いた.各郡4匹ずつに上記処置を行った後,埋没後7,28日にサクリファイした.マウスは人道的エンドポイントを参考に基準体重より-20%を超えないよう毎日体重測定を行った. いずれのマウスにおいても組織学的には炎症細胞(好中球,リンパ球,マクロファージ)の遊走,線維芽細胞の遊走を確認することができた.続いてMSCの動員,関与を検証するために免疫蛍光染色(PDGFα+/α-SMA+/Sca-1+細胞(PαS細胞)を用いて各郡での比較検討を行った.いずれの群においても特異的に染色された細胞を確認することができなかったため現在,様々な免疫蛍光染色を用いて解析を進めている.次いで修復に関与する各種サイトカインもELISAを用いて評価を行う予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
マウスに気管を埋め込んだ後,体重減少が著しく麻酔方法の再検討を行ったためモデル作成に時間を要した.また,MSCの動員,関与を検証するために,我々は免疫蛍光染色(PDGFα+/α-SMA+/Sca-1+細胞(PαS細胞)を用いて比較検討を予定していた.免疫染色の結果,組織中に予想された細胞を確認できなかったため,現在は様々なpositive Marker(STRO-1,CD13,CD29,CD44,CD73,CD90,CD105,CD106等)を用いて免疫染色を行う予定としている.
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Strategy for Future Research Activity |
マウスの麻酔方法を三種混合麻酔に変更し,メデトミジン拮抗薬を有効に用いることでマウスを早期に覚醒させ処置後の体重減少を緩やかにする.また,MSCの動員,関与を検証するため引き続き様々な免疫蛍光染色(STRO-1,CD13,CD29,CD44,CD73,CD90,CD105,CD106等)を行い,MSCが気管支修復を促進するセルソースであることを示す.
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Causes of Carryover |
マウスのモデルを作成するための手技を習得し,実践するにあたり,かなりの時間を要したため,計画が遅れ未使用額が生じた.翌年度請求額と合わせて,免疫染色に用いる抗体購入,マウス購入,ELISAキット購入に使用予定である.
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