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2022 Fiscal Year Research-status Report

急性呼吸窮迫症候群での肺血管抵抗上昇における内皮の役割

Research Project

Project/Area Number 21K09028
Research InstitutionNagoya City University

Principal Investigator

高野 博充  名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (70410313)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 服部 友紀  名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (90363936)
Project Period (FY) 2021-04-01 – 2026-03-31
KeywordsLPS / 内皮依存性過分極 / 敗血症 / 肺動脈
Outline of Annual Research Achievements

敗血症における肺動脈内皮依存性弛緩反応のうち内皮依存性過分極(EDH)反応について検討するために、ラット肺の左葉肺動脈標本を作成しその膜電位、血管直経、等尺性張力の測定を行った。弛緩反応はαアゴニスト(フェニレフリン)による収縮の抑制によって評価した。LNA投与により内皮依存性一酸化窒素による弛緩成分を抑制し、acetylcholineによって惹起した内皮依存性過分極因子による血管収縮弛緩成分(EDH)について検討を試みた。EDH成分はアセチルコリンによって惹起した弛緩反応のうち、ニトロアルギニン(内皮性一酸化窒素酵素阻害)存在下で残った成分とした。Wistar/STラットとWistar ラットから得た肺動脈標本では血管弛緩、張力抑制、過分極現象のEDH成分はいずれも全く検出されない例もあるなど個体差が大きく、安定したデータを得られなかった。
一方、SDラットから得た肺動脈標本ではEDHによる張力抑制減少を比較的安定して観察することができた。このニトロアルギニン非感受性弛緩反応はTRAM-34(中コンダクタンスカルシウム感受性カリウムチャネル)によってほとんど消失した。SD ratの尾静脈にLPS(5 mg/Kg body weight)注射したところ、50%の個体が翌日までに死亡した。生存したLPS投与ラットの肺動脈でEDHによる張力抑制現象ついて検討をしたところ、投与翌日にはEDHが抑制され、3日目以降6日目までに回復していることが確認された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

当初計画していたWistar/ST系統のラットでは肺動脈の内皮依存性過分極による収縮抑制反応を安定して観測することが難しいことがわかった。そこで複数の系統のラットを使用して比較検討する必要が生じた。また、実験方法について、当初は血管の直径の変化をビデオ撮影して測定する方法を検討したが、無傷で肺動脈を測定することが難しく別の測定方法を検討し、ワイヤミオグラフによる張力測定方法がより適しているとの判断に至った。これらの技術的問題を解決する必要があった。

Strategy for Future Research Activity

本年度は以下の二点の計画を遂行する。
1.SDラットの肺動脈EDHの検討:張力測定と膜電位測定によるEDHの性質検討を行う。特に以下の3点を重点的に行う。1)ニトロアルギニン感受性成分と非感受性成分の比較。2)内皮破壊(毛髪で内宮を擦ることによる内皮破壊)の影響。3)血管の直径ごとのEDHの寄与の比較。
2.LPS投与モデルからの肺動脈内皮依存性弛緩機構の検討:SDラットでの肺動脈標本をもちいてエンドトキシンの肺動脈の収縮弛緩への影響について検討する。LPS投与からの経過時間ごとにEDHの性質を検討、比較する。

Causes of Carryover

当初使用を予定していた系統の動物種では目的の実験遂行に難があることが判明したため、適する系統の検討を行う必要があり、目的の病態モデルの作成等を一時停止したため。当該額は、実験に適する系統の選択ができたので、次年度は当初目的通りに病態モデルの作成と検討を行うことに使用する。

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Published: 2023-12-25  

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