2022 Fiscal Year Research-status Report
地域を網羅した大規模救急患者レジストリ分析による救急搬送患者の実態解明
Project/Area Number |
21K09071
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
片山 祐介 大阪大学, 医学部附属病院, 特任助教(常勤) (50747144)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新田 雅彦 大阪医科薬科大学, 医学部, 特別職務担当教員(准教授) (10411349)
北村 哲久 大阪大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (30639810)
鍬方 安行 関西医科大学, 医学部, 教授 (50273678)
植嶋 利文 近畿大学, 大学病院, 講師 (50278727)
石見 拓 京都大学, 環境安全保健機構, 教授 (60437291)
藤見 聡 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪急性期・総合医療センター(臨床研究支援センター), 救急診療科, 主任部長 (70362720)
溝端 康光 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 教授 (90420736)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | public health / emergency medicine / ACSCs / epidemiology |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は大阪府で運用している救急車で搬送された傷病者の患者レジストリを用いて救急医療の実態の把握、新たな知見を明らかにすることを目的としている。 研究2年目の研究として、大阪府におけるACSC(外来診療において適切に治療されていれば緊急入院が避けられた病態)について、記述疫学的に明らかにした。本研究では、ICD-10に基づいて、急性ACSCs、慢性ACSCs、予防可能なACSCsに分類され、2016年1月から2020年12月までの5年間に救急車で運ばれた患者の年齢別、性別、入院状況、外来ケアの種類などが調査された。本研究の対象患者は合計1,572,152人であった。(急性ACSCs:69,621人、慢性ACSCs:12,250人、予防可能ACSCs:96,036人、非ACSCs:1,394,245人)。全体の年齢の中央値は71歳であり、急性ACSCの患者(年齢の中央値:76歳)および慢性ACSCの患者(年齢の中央値:80歳)は高齢者であった一方、予防可能ACSCの患者は若者であり(年齢の中央値:66歳)、子供の割合が高かった(33.3%、32,002/96,036)。救急外来での治療後の結果については、患者の42.6%(670,392/1,572,152人)が入院しましたが、慢性ACSCsの患者の82.3%(10,079/12,250人)が入院しました。 結果として、慢性ACSCsを持つ患者は高齢者が多く、予防可能なACSCsを持つ患者は子供と高齢者の間に偏りがあることが明らかになった。また、予防可能なACSCsを持つ成人と高齢者には時間の経過とともに変化がなく、子供では2019年まで増加し、2020年に減少したことが分かった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究ではこれまでに2篇の英文論文をPublishしており経過としては順調に推移している。本研究結果を踏まえた研究を現在解析、論文執筆中である。
|
Strategy for Future Research Activity |
現在の研究体制をベースとして、2020年に感染拡大した新型コロナウィルス感染症のパンデミックが救急医療体制ならびに救急搬送患者の転帰に及ぼした影響について令和4年、5年度消防防災科学技術推進制度(研究代表者:織田順(大阪大学))において、大阪府全体として研究、解析を進めている。 令和5年度が最終年度であり、さらに研究を発展できるよう体制作りも併せて行っていく。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症の拡大に伴い、国際学会への出張がなかったため経費支出が予定よりも低かったため。
|