2023 Fiscal Year Annual Research Report
歯周医学における歯周病原細菌由来ベシクルの役割解明と歯周病重症化予防剤の開発
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21K09896
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
湯本 浩通 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 教授 (60284303)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木戸 淳一 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 准教授 (10195315) [Withdrawn]
稲垣 裕司 徳島大学, 病院, 講師 (50380019)
廣島 佑香 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 講師 (60545143)
尾崎 和美 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 教授 (90214121)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | Outer Membrane Vesicle / 歯肉上皮細胞 / 細胞間接着分子 / gingipain / 骨芽細胞 / 石灰化 / RANKL / OPG |
Outline of Annual Research Achievements |
歯周病原細菌Porphyromonas gingivalis (Pg)やFusobacterium nucleatum (Fn)由来Outer Membrane Vesicle (OMV) のヒト歯肉上皮細胞における細胞間接着分子に及ぼす影響:E-cadherinとClaidin-1の蛋白発現レベルについて,Westerrn blot法で解析した結果,OMVs添加後24時間でControlと比較すると,Wild-type由来Pg-OMVsでは蛋白発現の減少を認めたが,gingipain欠損株由来PgKDP-OMVs,線毛欠損株由来PgMPG1‐OMVやFn-OMVでは蛋白発現の減少は認められなかった。また,mRNA発現レベルについてreal-time PCRにて解析した結果,Controlと比較して,エンドトキシン活性100 ng/ml相当のPg-OMVs,Pg KDP-OMVs,PgMPG1‐OMV,Pg- LPS,Fn‐OMVの添加後12,24時間では,E-cadherinとClaudin-1共に遺伝子発現レベルに有意差は認められなかった。以上より,Pg-OMVsに含まれるgingipainが,ヒト歯肉上皮細胞においてE-cadherin及びclaudin-1を分解する可能性が示唆された。 Pg-OMVsの骨芽細胞に対する影響:Pg-OMVsは,150 ng/mL以上の濃度で,ラット骨芽細胞様細胞株MC3T3-E1細胞の生存率を有意に低下させた。また,Pg-OMVsは,濃度依存的にmRNAレベルとタンパクレベル共にRANKLの発現上昇とOPGの発現低下を誘導した。さらに,Pg-OMVsは,濃度依存的にALP活性を低下させ,骨様結節形成も抑制した。以上より,Pg-OMVsは,骨芽細胞のRANKL発現上昇とOPG発現やALP活性低下により,石灰化を抑制することが示唆された。
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Research Products
(8 results)