2021 Fiscal Year Research-status Report
歯肉増殖症や肥満に関わる新規分子SPOCK1のシグナリング経路の探索
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21K09897
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山下 明子 九州大学, 歯学研究院, 助教 (70511319)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐野 朋美 九州大学, 歯学研究院, 助教 (50782075)
西村 英紀 九州大学, 歯学研究院, 教授 (80208222)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | SPOCK1 / 歯肉増殖症 / 肥満 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに申請者らは、歯肉増殖症においてSPOCK1が上皮間葉転換(EMT)に関与することでその病因に関与することを報告した。更に SPOCK1 が脂肪細胞の成熟を促して脂肪組織の肥大化に関わる可能性があることを新たに見出した。しかし、上皮や脂肪細胞におけるSPOCK1の特異的受容体やそのシグナル伝達経路などの詳細は不明であるため、解析の計画を立案し実施した。 プロテオミクス解析実施の条件決定のため、4種類の分化段階(未分化時、分化誘導時、分化維持時、分化完了時)のマウス前区脂肪細胞株もしくは分化3T3-L1細胞にSPOCK1(100 ng/mL)を24 h刺激し、それぞれRNAサンプルを回収し、遺伝子発現を検討した。 発現を検討する遺伝は、先行研究およびデータベース(STRING)を用いた解析によSlug、Snail、C/ebpβ、Mmp2、Mmp9の5つの遺伝子とした。 未分化時、分化誘導時、分化維持時にSPOCK1刺激をしたサンプルでは、未刺激サンプルと比較し、検討したどの遺伝子についても有意な遺伝子発現変動は無かった。一方、分化完了時の3T3-L1細胞にSPOCK1刺激をしたサンプルでは、未刺激サンプルと比較し、複数の遺伝子について、有意に発現が亢進した。 以上より、SPOCK1は分化した3T3-L1細胞に発現するレセプターに結合し、それに続くシグナルを活性化する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
プロテオミクス解析のサンプルの条件検討中であるが、当初の仮説と一部異なるデータ、再現性が得にくいデータを得ており、条件策定に時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
計画書に比較して条件設定にやや時間を要したが、その他細胞培養などに問題は生じていない。研究実施計画に準じて研究の遂行を目指したい。
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Causes of Carryover |
covid19流行の影響により、これまでに成果発表予定であった学会などが中止、もしくはweb開催になっている。また、プロテオミクス解析の条件検討に時間を要しているため、実施計画と若干異なる部分があるが、現時点で、研究の進行具合に特別な問題は生じておらず、今後も研究実施計画に準じて研究の遂行を目指したい。
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Research Products
(2 results)