2022 Fiscal Year Research-status Report
Lubricinによる変形性顎関節症に対する新規治療法の開発
Project/Area Number |
21K10096
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
栗尾 奈愛 徳島大学, 病院, 講師 (80622141)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 洋二 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 教授 (20200214)
工藤 景子 徳島大学, 病院, 講師 (70380029)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | TMJ / Lubricin / PRG4 / 変形性顎関節症 / ヒアルロン酸 / 4ーMU |
Outline of Annual Research Achievements |
変形性顎関節症(TMJ-OA)は、顎関節の関節軟骨や関節円板の不可逆的な破壊により、開口時痛や開口障害を起こし、患者のQOLを著しく低下させる。一旦発症すると変形した関節を修復させる根本的治療法はなく、発症機序の解明と新規治療法の開発が急務である。 Lubricinは関節の滑液中のプロテオグリカンで関節軟骨表層細胞や滑膜細胞などから分泌され、軟骨面の摩擦抵抗を軽減・保護し、軟骨の恒常性維持に重要な役割を担う。研究代表者は、LubricinをコードするPRG4遺伝子の欠損マウスを作製しLubricinの減少がTMJ-OAを発症させることを報告したが、LubricinのTMJ-OAに対する治療効果に関する報告はほとんどなく、不明な点が多い。そこで本研究は、TMJ-OAの顎関節腔内にLubricinを投与して、TMJ-OAの発症と進行に対するLubricinの治療効果を評価することを目的とした。この研究により、TMJ-OAの発症と進行メカニズムにおけるLubricinの役割を明らかにするとともに、その予防法や新規治療法の確立をめざすことが可能であると考える。 今年度は、変形性顎関節症モデルマウスの作成を予定していたが、コロナ関連で動物実験に制限がかかっていたことや、機械的刺激による変形性顎関節症の発症が、顎関節では安定的では無いことが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
変形性顎関節症を確実に誘発可能な動物実験モデルの作成が非常に困難である。そのため、現在は薬剤による変形性顎関節症の発症モデルを作成することを検討している。用いる薬剤は関節の軟骨の保護作用に重要な役割を担うヒアルロン酸の酸性を抑制する4ーM Uを使用して動物モデルを作成予定である。以上のことから遅れていると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
現時点でヒアルロン酸合成阻害剤の4ーMUを用いた動物細胞への効果を検討しており、細胞周囲に形成されるヒアルロン酸マトリクスの形成やヒアルロン酸産生自体を抑制することが確認できており、また細部増殖を強力に抑制することを確認している。今後はこれらの知見をもとにマウスに投与し、lubricinの投与を行いその効果を検討する予定としている。
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Causes of Carryover |
予定していた動物実験に一時制限が出たため次年度に一括して行う予定となったため、その予算として次年度使用額が生じた。
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