2023 Fiscal Year Research-status Report
Lubricinによる変形性顎関節症に対する新規治療法の開発
Project/Area Number |
21K10096
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
栗尾 奈愛 徳島大学, 病院, 講師 (80622141)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 洋二 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 教授 (20200214)
工藤 景子 徳島大学, 病院, 講師 (70380029)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 変形性顎関節症 / lubricin / tgf-b |
Outline of Annual Research Achievements |
変形性顎関節症(TMJ-OA)は、顎関節の関節軟骨や関節円板の不可逆的な破壊により、関節痛や開口障害により患者のQOLを著しく低下させる。一旦発症すると変形した関節を修復させる根本的治療法はなく、発症機序の解明と新規治療法の開発は急務である。Lubricinは関節の滑液中のプロテオグリカンで関節軟骨表層細胞や滑膜細胞などから分泌され、軟骨面の摩擦抵抗を軽減・保護し、軟骨の恒常性維持に重要な役割を担う。申請者は、LubricinをコードするPRG4遺伝子欠損マウスを作製しLubricinの減少がTMJ-OAを発症させることを報告してきたが、LubricinのTMJ-OAに対する治療効果に対する報告はほとんどなく、不明な点が多い。そこで本研究では、LubricinをTMJ-OAの顎関節腔内へ局所投与することによって、TMJ-OAの発症と進行に対するLubricinの治療効果を評価することを目的とした。この研究により、TMJ-OAの発症メカニズムを明らかにするとともに、その予防法や新規治療法の確立をめざすことが可能であると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
lubricinの局所注入療法のためのlubricinを培養細胞から抽出している途中である。現時点では、マウスの顎関節の関節表面から分離した、最表層細胞を平面培養し、tgf-bを添加してlubricinを発現させている。しかしながら、ややprimary細胞の増殖力が弱く、注入に必要な量のlubricinを回収できるだけの細胞数に達することができていないため、動物実験に持ち込めていない。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は細胞数と十分な量のlubricinの回収のため、primary細胞を三次元培養し、さらに回転培養装置の中で機械的な刺激を与えつつ培養することでlubricinの回収量を増やす事ができるかどうか、検討を行う。難しい場合は、primary細胞を株化細胞に転換させて、lubricinの回収量を上げることができるかどうか検討予定である。十分な量のlubricinが確保出来れば、動物実験へと進む予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響で、primary細胞回収のための動物実験施設の稼働状況が悪かったため、研究継続が困難である期間が多かったため、次年度使用額が生じた。
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