2021 Fiscal Year Research-status Report
破骨細胞の活性制御による骨リモデリング微小環境の恒常性維持機構
Project/Area Number |
21K10106
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
高岡 一樹 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (60373122)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山根木 康嗣 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (00434944)
上田 美帆 兵庫医科大学, 医学部, 研究生(研究員) (10774391)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 破骨細胞 / 骨リモデリング / マクロファージ |
Outline of Annual Research Achievements |
骨リモデリングは「古い骨を新しい骨に置き換えること」であるが、一連の過程はまだまだ解明されていない部分が多い。骨組織は骨リモデリングにより維持されており、このバランスの破綻が、関節リウマチ、骨粗鬆症などを引き起こす。古くなった骨を吸収する細胞である破骨細胞には炎症性破骨細胞と組織修復性破骨細胞が存在し、その特性が骨破壊性疾患の発症に関与しているのではないかという問いに対する基礎的研究である。マクロファージには、炎症性のM1と抗炎症性・組織修復性のM2の2つのタイプがあるとされている。マクロファージ系細胞である破骨細胞にも炎症性のM1系と組織修復性のM2系が存在し、その特性が骨破壊性疾患の発症に関与しているのではないかと考えた。M1/M2系破骨細胞の特性を検討し、さらに低酸素応答機構との関与について解明することを目的とする。 M1/M2系破骨細胞への分化を検討した。マクロファージ系破骨前駆細胞株RAW264.7細胞に分化因子のRANKLを投与し、さらにIFN-γまたはIL-4を添加することによりM1/M2系破骨細胞様細胞に分化させ、TRAP assayにて確認した。また、炎症性マーカーの測定を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
M1/M2系破骨細胞の炎症性マーカーの有意差がでなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
M1/M2系破骨細胞への分化誘導の際、TGF-βを加えた場合も行い、M1/M2系の確認のため炎症性サイトカインの産生を確認する。M1系のマーカーとして、IL-6 、TNF-αおよびNO、M2系のマーカーとしてIL-10の培養上清中の産生量をELISA kitを用いて測定を行なっていく予定である。また、分化させたM1/M2系破骨細胞の骨吸収能を検討するため,C57BL/6JマウスのBMMを象牙質切片上に播種し、M1/M2系破骨細胞に誘導する。ローダミンファロイジン染色によりアクチンリングを可視化し計数する。細胞を除去後、HE染色することで吸収窩を確認する。画像ソフトImage Jにて吸収窩の面積を定量する。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染拡大のため、大学院生を含めた本研究が一時期、休止した期間があった。本年度の研究においてM1/M2系破骨細胞の炎症性マーカーの有意差が確認できなかったため、次年度は、新たに分化因子TGF-βを加えて、M1系、M2系の確認をELISA kitを用いて検討を行っていく予定である。
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