2023 Fiscal Year Annual Research Report
超遠心法による分画抽出血清のプロテオーム解析を利用した新規硬組織形成誘導法の開発
Project/Area Number |
21K10162
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
上田 公子 (山口公子) 徳島大学, 病院, 助教 (40335807)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩本 勉 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (90346916)
北村 尚正 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 助教 (50614020)
赤澤 友基 徳島大学, 病院, 助教 (10646152)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 硬組織形成 / ウシ胎児血清 / 超遠心 / 歯原性間葉細胞 / 細胞分化 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度は、Fam3Cの添加濃度による、硬組織形成細胞の分化への影響を検討することから実験を開始した。硬組織形成細胞のうち、歯原性間葉細胞(mDP)を使用し、分化誘導培地へFam3Cタンパクを添加して分化誘導し、mRNAを回収して、初期の分化を示す分子であるPanx3の発現をreai time RT-PCR法にて確認した。結果は十分に安定しなかったが、培地へ1ng/mlまたは30ng/mlのFam3Cタンパクを添加した際に、コントロールと比較して、Panx3の上昇を認めた。そこで、歯原性間葉細胞(mDP)について、Fam3Cタンパクの分化誘導培地への添加濃度が石灰化へおよぼす影響を確認するため、1ng/mlまたは30ng/mlのFam3Cタンパクを添加した分化誘導培地にて分化誘導し、アリザリンレッド染色にて確認した。結果は十分に安定しなかったが、1ng/mlまたは30ng/mlのFam3Cタンパクの添加で、コントロールに比較して、石灰化が促進される傾向を認め、Fam3Cを1ng/ml添加したときの方が、石灰化を促進する傾向がやや強く認められた。 歯原性上皮細胞については、数種類のLotの異なるウシ胎児血清(Fetal Bovine Serum : 以下FBS)について、超遠心分離機にて100,000g×18時間超遠心し,3層に分かれた分画を,最上方を第1層,中間層を第2層,最下層を第3層として使用したところ、全てのLotのFBSで、第3層の使用で有意な細胞増殖を認め、第1層の使用で有意な分化を認めた。関与する分子については検討中である。 以上の結果から、歯原性間葉細胞の分化を促進する因子としてFam3Cの関与が示唆された。今後、そのメカニズムの解明をすすめ、象牙質再生または骨再生の新規治療方法の開発につながる研究を目指し、実践したい。
|