2021 Fiscal Year Research-status Report
高校生eスポーツアスリートにおける心身の健康実態の解明
Project/Area Number |
21K10470
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
神田 秀幸 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (80294370)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 亮 島根大学, 学術研究院人間科学系, 准教授 (20531908)
絹田 皆子 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (20895297)
久松 隆史 岡山大学, 医歯薬学域, 准教授 (60710449)
津村 秀樹 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(社会総合科学域), 講師 (70636836)
福田 茉莉 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (70706663)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | eスポーツ / 高校生 / 健康実態 |
Outline of Annual Research Achievements |
eスポーツは競技を目的にして行うゲームプレイを指し、若者を中心に世界規模で広がりをみせている。さらに、オンライン上で完結するため、COVID-19流行下で、その競技人口は急速に増加している。一方で、ゲーム障害による健康影響は、精神的影響のみならず、手指・腰痛など身体的影響が指摘されている。特に、成長期にある高校生では、体格や視力を含め、多くの精神的、身体的な健康影響が懸念されている。 本研究は、高校eスポーツ部に所属する部員(高校生eスポーツアスリート)の身体的・精神的な健康実態を、と同じ高校に通う他部員と比較して、彼らの健康状態などを明らかにする。今後拡大していくであろう新たな健康問題に対して、関連要因を明らかにすることは予防医学上、重要な意味をもつ。 令和3年度は、岡山県内の高校において、高校生eスポーツアスリートと一般高校生に対して、質問票調査および健康診断結果、生理機能検査(身長・体重・体組成等)を行った。 高校生eスポーツアスリートは、同じ高校に通う一般高校生と比べ、ゲーム利用時間が長く、利用するゲームの種類数は多かった。しかしながら、ゲーム障害のスクリーニング指標であるIGDT-11によるゲーム障害に該当する者は1人しかいなかった。また高校生eスポーツアスリートの体格は、やせもしくは過体重の割合が一般高校生より高く、極端な体格になりがちであることが分かった。これはゲーム利用によって身体活動量が減ることによる体格への影響が生じていることが考えられた。 当該年度の研究で、高校生eスポーツアスリートの健康課題が徐々に明らかにできた。今後は、新入生を加えた横断的な調査を実施すると同時に、学年進行をふまえた変化に着目した縦断的な調査を行っていく予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の立案・企画は予定通りに対応できている。研究実施に向けて、研究班内で検討を重ねた上で、大学倫理審査委員会の承認を得た。また高校側の協力体制を構築することができ、年間を通した円滑な調査ができた。 実施では、対象者への個別調査の準備、高校での計測やデータ収集をこなし、貴重なデータを得ることができた。COVID-19の流行の時期を避けて島根大学と共同で実施することによって、実務作業の効率化を図った。おおむね初年度調査としての役割を果たす結果を得た。ほぼ当初の見込み通りの研究遂行ができている。出張や学会参加等の移動の制限があったため、そうした活動は今後行うこととした。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和4年度の計画は、新入生を加えた横断研究を実施する予定である。さらに令和3年度の調査対象者に対して、追跡調査を行う予定である。 令和5年度の計画も、令和4年度同様、横断調査の拡充と学年進行に合わせた追跡調査を実施する予定である。 また、これら調査を実施しつつ、研究成果が得られたら公表しながら、高校生eスポーツアスリートの健康実態や要因の解明のため、統計的手法により詳細な分析を行っていく予定である。
|
Causes of Carryover |
当初予定していた旅費、学会参加がCOVID-19感染拡大による行動制限のため、予定通りに実施することができなかった。それにより、残金が大きく発生した。また物品費が次年度へ持ち越しとなった。 次年度は、調査や出張等の移動制限が緩和されることや、横断調査に加えて縦断調査を予定しており、大幅な支出が想定される。そのため繰越金によって、その支出に充てる予定である。
|
Research Products
(4 results)