2023 Fiscal Year Research-status Report
ポータブルデバイスおよびAIアプリを用いたポスト・コロナにおける非対面型遠隔看護
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21K10634
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Research Institution | University of Kochi |
Principal Investigator |
池田 光徳 高知県立大学, 看護学部, 副学長 (70212785)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小原 弘子 高知県立大学, 看護学部, 講師 (20584337)
井上 正隆 兵庫医科大学, 看護学部, 准教授 (60405537) [Withdrawn]
坂元 綾 高知県立大学, 看護学部, 助教 (90584342) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 遠隔看護 / リキッドバイオプシー / ELISA法 / 唾液 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度で本研究も3年目に入った。1年目には、血圧、脈拍数、睡眠計、歩数計、血中酸素濃度計、体温計という生体情報を取得するウェアラブルデバイスとして、既存のスマートウォッチが十分使用可能であることが分かった。2年目には、感情認識AIを利用してモデル患者の「腹痛」の感情値を求め、主訴の数値化を試みた。以前から、採血を行わない血糖(グルコース)測定機器の開発が進むことが推測されていたが、市場への投入が遅れている。 ウェアラブルデバイスには測定可能なアセスメント項目に限界があることを踏まえ、本年度はリキッドバイオプシーが遠隔医療・看護に応用できないかを検討した。 リキッドバイオプシーは、低侵襲性の液性検体(尿や唾液など)を利用して疾患の診断を行う技術である。従来のバイオプシーは、メスや針などで生体材料を採取するため、一定の苦痛や危険性を伴う。一方、リキッドバイオプシーは、ほぼ自然に作られ、排出される液性検体を利用するため、低侵襲性であり、複数回の検体採取であっても、患者への負担が非常に少ない点が大きな利点である。多くの場合、リキッドバイオプシーで得られた検体は、遺伝子変異の解析に供され、がんの超早期発見に用いられている。従来、液性検体を用いて生体物質(タンパク)を測定する技術として、enzyme-linked immunosorbent assay (ELISA)が用いられてきた。ELISA法は唾液からの生体成分の測定にも応用可能である。 凍結保存後、発泡スチロールケースに入れて輸送し、1日以内にELISA法で測定した唾液中のアディポネクチンとC-反応性蛋白の測定を実施したが、採取直後の唾液での各値と遜色ない結果が得られた。凍結輸送した唾液を用いたリキッドバイオプシーの遠隔医療・看護への応用可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ポータブルデバイスによる非侵襲的な血糖測定が行えていないことは進捗の遅れであるが、遠隔医療・看護にリキッドバイオプシーの応用可能性を示したことは研究当初に想定したことを上回っている。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度になるため、非侵襲的な血糖測定ができるポータブルデバイスが入手できれば、血糖測定を検証してみたい。 血糖測定ができない場合には、ウェアラブルデバイスを用いて呼吸状態のアセスメントができるかどうかを検討し、遠隔医療・看護での応用可能性を検討する予定である。
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Causes of Carryover |
研究の進捗上、次年度(令和6年度)使用予定のウェアラブル呼吸測定デバイスの購入費用を必要とするため。
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Research Products
(2 results)