2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K10675
|
Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
山中 真 愛知医科大学, 看護学部, 教授 (30507504)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶原 弘平 日本赤十字九州国際看護大学, 看護学部, 准教授 (10437626)
安本 卓也 椙山女学園大学, 看護学部, 准教授 (50566099)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 看護技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度の研究目的として、多施設における心音聴取と熟練看護師を対象とした心音診断のプレ実験と実験器具および実験方法のブラッシュアップを目標に活動を計画している。2022年度は、予定していた施設の多くでCovid-19による施設の制限、対象者となった看護師の就業制限などにより上記予定していた計画にかなりの遅延が生じている。 このようなことから、2022年度はより人体に近い形での心音聴取が可能となるモデルの作成を中心に進め、基本となる測定用具を作成した。これら作成された器具を用いてプレ実験を実施している。少人数でのプレ実験であるが胸骨や肋骨などを再現することでより人体に近い感覚で心音の聴取が可能となり対象者からは良好な返答を得ていることから本申請研究にをいてより正確な技術を測定するうえで大きな成果が得られたと考える。 次に、2021年に実施した聴取時における心音聴取における認識についてインタビュー調査から得られた音声データを文字起こしし、テキストマイニング手法を用いての聴取における心音診断時における認識について分析を実施した。 その結果、以下に示す特徴を得られている。1つ目、モデル心音を聞きながらと聞かないとで口頭での説明に違いがあり、参照音がある事例ほどオノマトペが増える。これらの結果について更なる解析を進めている。2つ目として、熟練者ほど異常な心音の判別よりも正常な心音の判別に苦労しているとの発言が認められる。個体差が多い対象の診断において明確な正常音の認識が極めて困難なことが示された。これらの結果は、音を基盤とした診断の実践技術には正しく聞き取る技術だけでなく聞き取られた音を判別する思考力が重要であることを示す大きな根拠であり、熟練者の技術を評価する上で重要な示唆を得られた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、大規模なプレ実験と心音サンプリングを行うことを予定していたが、協力施設においてCovid-19による制限や対象者の多くが医療者であり参加が困難となったことなどからこれら予定が大きく遅延する結果となった。 初年度に一部得られた結果や、該当年度に行った少人数でのプレ実験の結果などを集約することで一定の成果を得られたことや、実験の再開に向けてより精度を高めることを目的として測定機器の作成を中心に活動を行うことで当初の予定よりも進行は遅れているものの一定の成果は得られていると考える。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度は、昨年度得られた結果を学会誌への投稿することを目的に投稿予定学会への参加を行うとともに論文作成を行う。 5月より、Covid-19による規制が大きく緩和されることから、協力施設での実験を進めるとともに分担研究者と実験調整および本実験を実施する。
|
Causes of Carryover |
当初の予定では、複数施設での実験依頼や対象者への謝金などを予定していたが、Covid-19により複数施設での実施が困難となり当初予定よりも出張や謝金の予定が減ったこと、謝金の一部を個人研究費などにて支払うなどによって当初予定よりも支払いが減ったことが大きな要因である。 今年度は、複数施設での実験や対象者を増やす予定であることや、論文投稿を検討していることから投稿に向けた学会への参加、投稿費、参加者謝金などに使用を予定している。 この他に、一部実験機器において修理が必要な箇所や不具合などもプレ実験を通じて明らかとなっていることからこれら修理のための機材費等を必要とする。
|