2023 Fiscal Year Research-status Report
CRT-D除細動作動による恐怖や不安への認知行動療法的介入プログラムの開発と評価
Project/Area Number |
21K10733
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
畑 真紀子 兵庫医科大学, 看護学部, 助教 (80853902)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神崎 初美 兵庫医科大学, 看護学部, 教授 (80295774)
石原 正治 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (00574683)
峰 隆直 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (10388829)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | CRT-D / 電気的除細動 / 恐怖・不安 / 認知行動療法的介入 / 重症心不全 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、電気的除細動を経験したことのあるCRT-D患者の認知行動療法的介入プログラムの開発とその評価を目的としている。研究の第1段階として、電気的除細動を経験したCRT-D患者の身体、心理面の変化とセルフマネジメントの実態について面接調査を実施した。コロナ禍のため研究実施を見合わせていたが、2022年9月から対象患者の選定と面接調査を進めることができた。2023年7月に面接調査を終了し、データ分析を行った。結果では、心理、身体面の変化を認知している者とそうではない者が存在し、その経験には個人差があることが明らかになった。予想に反し重大な抑うつ状態にある対象者は見られず、CRT-Dデバイスへの信頼と、医療者への信頼が心理面の安定につながっていることがわかった。対象者は【除細動前の兆候の自覚】があり、そのことが【除細動後の対処行動】につながっていること、そして自らの生命を守るためにに【生活動作で心掛けるセルフマネジメント】を実践し、【健康増進を目指す実践】を行っていることが明らかになった。また当研究を見合わせている期間(2022年)に実施したCRT-D患者のQOLに関する文献検討においては、CRT-D植込みや薬物の追加によりQOLの改善が見られるが、ICD患者と比較して不安、うつがQOLの悪化に関連しており、除細動経験のあるCRT-D患者は長期的な心理的負担感を抱えていることが明らかにされていることがわかった。今後医療者はCRT-D植込み前からの心理的側面に関するQOLの評価、服薬アドヒアランスの向上に注力する必要があることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2021年度は新型コロナウイルス感染症の拡大があり、予定していた面接調査の実施を見合わせた。そのため、2022年度に調査開始が遅延し、1年半程度遅れての実施となっている。2022年9月からは対象患者の選定ならびに面接調査を進めることができ、2022年10月に国際学会で発表したCRT-D患者のQOLに関する文献検討の結果も踏まえながら、実施した質的研究を論文としてまとめ論文投稿まで完了した。今後、当初の研究計画内容を精査しながらCRT-D患者への介入プログラムの作成を進めていく。
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Strategy for Future Research Activity |
科研申請当初は、除細動を経験したCRT-D患者の不安や抑うつ症状を軽減するような認知行動療法的介入プログラムを視野に入れた研究計画としていたが、実施した第1段階における面接調査において強い不安や抑うつ症状を示す患者が見られなかった。このことから、最終年度である今年度は本調査で明らかになった除細動を経験した患者が除細動の再作動を予防するようなセルフマネジメントに関する教育的介入プログラムの開発を行い、除細動経験の有無に関わらず、CRT-D患者に対して除細動の作動を未然に防ぐこと、心不全増悪予防に対するセルフマネジメント実践の強化を含めた看護師が実施する教育的介入プログラムの開発を行いたいと考える。可能であればプログラム開発の後、CRT-D患者に対するプレテストを実施していく計画とする。
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Causes of Carryover |
学会への参加、それに伴う旅費などについてオンライン開催となっていること、介入プログラム開発に使用する予定の金額の使用がまだであるため未使用額が発生している。発生した未使用額については次年度中に実施する介入プログラム開発に対する調査のデータ収集に必要となる郵送料やプレテストを実施する場合の交通費などに充てる予定である。また、関連学会への参加費やそれに伴う旅費、研究遂行に必要な書籍費・消耗品にかかる費用として計上する予定である。
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Research Products
(1 results)