2021 Fiscal Year Research-status Report
当事者の経験評価に基づく外来在宅療養生活支援モデルの臨床的有用性
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21K10762
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
鷲見 尚己 北海道大学, 保健科学研究院, 准教授 (30372254)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 三穂 北海道大学, 保健科学研究院, 講師 (00431312)
青柳 道子 北海道大学, 保健科学研究院, 講師 (30405675)
矢野 理香 北海道大学, 保健科学研究院, 教授 (50250519)
大島 寿美子 北星学園大学, 文学部, 教授 (60347739)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 外来 / 在宅療養支援 / 患者の経験 / 移行理論 / 外来治療 / 外来看護師 / 質評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、1)在宅移行支援に関連する文献検討、2)外来患者を支援する看護実践(意思決定支援)に関する実態調査を実施した。1)においては、外来患者に対する在宅療養支援の特徴や実践的取り組み、先駆的な取り組みを行なっている医療施設での報告書を研究者間で検討した。高齢者への支援ニーズは疾患ニーズとともに生活ニーズを考慮した包括的な支援が必要であることを再確認した。同時に、患者経験や価値に基づく、支援の内容や方向性を示している文献は見当たらなかった。患者経験評価を中心とした質評価尺度は海外においては散見されており、それらの質評価指標の精査を進めるとともに、我々の調査で使用可能な指標を精査する予定である。 2)がん患者を支援する外来看護師の看護実践、特に患者経験の理解と患者の意向継続に関する看護実践に焦点を当てて横断調査を実施した。がん治療に関する部分では、外来の場面を外来治療室と規定し、国内のがん診療連携拠点病院の外来治療室に勤務する看護師を対象として配票調査(WEB調査)をした。その結果として、外来看護師は患者のこれまでの療養生活の経験、患者の価値観を理解することを実践していること、同時に患者の今後の意向を尊重するっことを重視していることが示された。一方で、患者のエンドオブライフに関わる患者の意向の把握には困難を感じており、患者経験理解と移行の継続のための方策の検討を行う必要性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
文献検討と外来治療室における看護実践と看護師の認識に関連する調査は実施した。一方で、一般診療外来での患者調査及び看護師との事例検討を実施することができなかった。その利用は、COVID-19感染症対策、予防を重視したため、病院との調整に時間を要したためである。 医療機関においては、感染状況とともに医療者の協力が不可欠なため、感染対策ガイドラインを確認しながら、患者調査の実施と看護師調査の実施の優先度を考慮した対応となった。 研究者間の調整は問題ない状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度に向けては、外来看護師との在宅療養支援の事例検討会の開催の調査が進み、検討会会さとともに看護師調査及び患者のインタビュー調査が可能な状況になっている。令和3年度に実施できなかったところを順次進める予定である。医療機関についても、急性期病院を想定していたが、今後はクリニックに通院している高齢者も患者経験調査で実施することを研究メンバーと検討を進める予定である。
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Causes of Carryover |
患者調査及び外来看護師への実態調査、事例検討会等の予定された活動が令和4年度に移行したため、予算の執行額に差が生じた。
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