2023 Fiscal Year Research-status Report
出生前遺伝学的検査における女性の自律的意思決定に向けたプレコンセプション教育
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21K10843
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
片田 千尋 兵庫医科大学, 看護学部, 講師 (10708556)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大橋 一友 大手前大学, 国際看護学部, 教授 (30203897)
岡田 公江 畿央大学, 健康科学部, 教授 (00437443)
澤井 英明 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (80215904)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 出生前検査 / NIPT / 意思決定 / プレコンセプション教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
NIPTの意思決定に向けたプレコンセプション教育プログラムの介入研究の成果をまとめて論文を作成し、2023年7月にArchives of Public Healthに掲載された。 本研究では、将来NIPTの受検について検討する際の女性の意思決定の葛藤を軽減することを目的として、遺伝学への関心に焦点を当てたARCSモデルに基づくプレコンセプション教育プログラムを開発し、妊娠前の大学生の女性を対象にプログラムにおける介入の有効性を検証した。その結果、主要アウトカムである意思決定の葛藤は、介入前と比較して介入直後およびフォローアップ時(介入後3ヵ月後)に有意に減少し、意思決定の葛藤の軽減に持続的な効果が示された。介入前とフォローアップ時の葛藤決定レベルをみると、教育プログラムの効果が明確である高い葛藤決定から低い葛藤決定に変化した女性は27名(37.0%)と多くはなかった。しかし、介入前から高い葛藤決定のまま経過した女性42名(57.5%)においても、意思決定の葛藤得点は介入前より介入直後、フォローアップ時にともに有意に減少し、意思決定の葛藤の軽減に有効であったことが示された。 また、NIPTに関する一般女性の知識や認識の変化を明らかにするために、2014年および2021年に実施した、一般女性におけるNIPTに関する知識や認識の現状のウェブ調査の結果を比較し、2023年10月に開催された第64回日本母性衛生学会学術集会にて発表した。 プレコンセプション教育プログラムについては、多くの女性が参加しやすいように、オンデマンド形式に改変できるよう検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究成果の論文作成に注力したことに加え、プレコンセプション教育プログラムのオンデマンド形式への改変に困難を要したことから、研究の進捗がやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
NIPTのプレコンセプション教育のオンデマンドプログラムの開発に困難を要しているが、本教育プログラムの利点である参加者同士でのディスカッションをオンデマンドで補完できる方策を検討し、次年度はオンデマンドのプログラム開発を進めたいと考える。 また、2023年10月に学会発表した、2014年および2021年の一般女性におけるNIPTに関する知識や認識の比較の成果を論文にまとめ、投稿したいと考える。
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Causes of Carryover |
プレコンセプション教育のオンデマンドプログラム開発に困難を要したため、アプリ開発費が今年度に使用できなかった。その一方、円安の影響で論文投稿費が当初予定より高額となった。以上のことから、今年度からの繰り越し金が発生した。これらは、次年度のオンデマンドプログラムの開発に使用する予定である。
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Research Products
(2 results)