2021 Fiscal Year Research-status Report
生活保護受給者の心身の準備段階に応じた就労支援プログラムの作成と評価
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21K11095
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
谷山 牧 国際医療福祉大学, 小田原保健医療学部, 教授 (40413166)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若林 和枝 国際医療福祉大学, 小田原保健医療学部, 准教授 (20733520)
保母 恵 国際医療福祉大学, 小田原保健医療学部, 講師 (20757603)
渡部 瑞穂 国際医療福祉大学, 小田原保健医療学部, 講師 (30805370)
岩上 さやか 国際医療福祉大学, 小田原保健医療学部, 講師 (60583581)
藤田 千春 杏林大学, 保健学部, 教授 (70383552)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 生活保護利用者 / 福祉から就労 / 健康課題 / 就労意欲 / 社会的孤立 / メンタルヘルス |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、就労に向けた心身の準備段階アセスメント尺度の作成の準備段階として、G7各国の行政機関の英文のWebサイトから、Workfare(福祉から就労)の対象者の健康上の課題に対して提供されているサービスについて情報を収集、分析した。G7諸国において積極的にWorkfareが進められており、健康上の課題がある場合はその課題に応じたサービスの紹介が行われていた。米国、英国では、依存の問題を持つものに対する専門家による支援があることが紹介されていた。仏や英国では障害のある福祉利用者の就労を促進している。仏では障害者を対象とした職業訓練が提供されており、さらに障害者向けの職業紹介機関も存在していた。英国では障害または健康問題がある場合、支援ワーカーの配置、通勤支援などの追加のサポートを受けられる場合があるとの記載があった。イタリアでは障害者以外の成人期にある福祉利用者は提供される就労機会を受け入れる義務があるが、個々の健康状態や能力に適した活動への配置がされるとの説明がなされていた。すべての国においてボランティア活動、就労体験、補助金雇用などの就労機会が提供されていた。G7諸国におけるWorkfareの取り組みは日本に比べてより積極的に行われており、健康上の課題や障害がある福祉利用者に対しても同様であった。Workfareには「壮年期の個人が社会の主流から疎外されないように就労支援をする」という意義があり、多くの国では健康課題や障害の有無によらず、就労できる枠組みが整えられていることが分かった。 さらに、就労支援を受ける生活保護利用者が気楽に集まり、同じ課題を抱える者どうしで交流できる「おきらく会」を定期開催しており、参加者の健康や就労への課題など、当事者がどのように捉え対応されているかヒアリングを続けている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ヨーロッパにおける福祉から就労活動についての現地調査実施を計画していたが、COVID-19、ウクライナ戦争の影響から具体的な計画を立てることが困難な状況が続いている。さらに、生活保護利用者の孤立を防ぎ、他者との交流機会を増やすことを目的とした「おきらく会」開催についても、COVID-19の影響から数回の中止を余儀なくされている。そのため、研究全体の進捗について、やや遅れている状況が生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初、フランスやドイツで行われている職種や職場等の個別状況で生じる就労困難性や支援ニーズを個別に把握した上での障害認定の内容, スウェーデンにおける職業紹介所でのカウンセリングでの視点について,現地調査実施を計画していたが、ウクライナ戦争の影響を考慮し、調査方法の転換を図る必要があると考える。ヨーロッパ諸国において福祉から就労活動を担当している公的機関を抽出し、実際の支援状況、アセスメントの視点についてインタビューを行い、併せて資料や動画の紹介を依頼する。先行研究での報告内容と合わせ、受給者の就労に向けた心身の準備段階アセスメント尺度を作成する。
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Causes of Carryover |
フランスやドイツで行われている職種や職場等の個別状況で生じる就労困難性や支援ニーズを個別に把握した上での障害認定の内容, スウェーデンにおける職業紹介所でのカウンセリングでの視点について,現地調査実施を計画していたが、COVID-19パンデミック、ウクライナ戦争のため実施できなかったため、次年度使用額が生じた。次年度はZOOMなどを活用し、国内で実施できる調査方法を検討し、実施する予定である。
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Research Products
(4 results)