2023 Fiscal Year Annual Research Report
食品因子のよる交感神経の「感受性亢進」と「活性化」による体脂肪蓄積抑制作用の解明
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21K11584
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Research Institution | Teikyo University of Science & Technology |
Principal Investigator |
西川 翔 帝京科学大学, 生命環境学部, 講師 (10728249)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 褐色脂肪細胞化 / 交感神経 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度から引き続き、食品成分によるマウス鼠径部白色脂肪組織(iWAT)での褐色脂肪細胞化誘導(:熱産生タンパク質UCP1陽性にベージュ脂肪細胞が増加すること)と交感神経形成の関与について検討した。 マウスをサーモニュートラル条件(TN)にて飼育し交感神経刺激を排除し検討を行った。また、脂肪組織を透明化(adipo-clear法)し脂肪組織全体を観察すると、ベージュ脂肪細胞はiWAT内でリンパを境目として鼠径部側でその分布が多く腰側で少ない。そこで鼠径部側及び腰側に分けてウェスタンブロッティング(WB)法によるタンパク質発現解析を行い、adipo-clear法との比較を行った。 TN期間を2週間と食品成分の投与期間を1週間として実験を行い、adipo-clear法によるUCP1発現を検討したところ、まずコントロール群でUCP1シグナルが観察できずTNによりベージュ脂肪細胞の減少が確認できたが、食品成分投与群においてもUCP1シグナルは観察できなかった。一方、WB法において、コントロールと比較して食品成分投与により鼠径部側において有意なUCP1タンパク質発現解析の増加が認められたが、腰側ではUCP1発現に有意な変化は見られなかった。これらの結果から、TN条件で食品成分による褐色脂肪細胞化をadipo-clear法で評価した場合その誘導は見られず交感神経の関与が考えられるが、WB法では鼠経部側でUCP1発現が増加していることを鑑みると、今回はTN期間が長いためadipo-clear法の感度ではシグナルが得られなかったことが考えられる。以上から、この食品成分は交感神経非依存的な経路で褐色脂肪細胞化を誘導している可能性がある。また食品成分による褐色脂肪細胞化をWB法で評価する場合は鼠径部側で評価し易いことを明らかにした。上記の内容はすで学会にて報告し論文への投稿準備を進めている。
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