2021 Fiscal Year Research-status Report
小腸FGF19産生・分泌を基盤とした健康長寿を目指す栄養療法
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21K11594
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
金子 一郎 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 助教 (40389515)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | FGF19 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、FGF19誘導化合物のスクリーニング(ヒトFGF19のマウス相同分子種がFGF15)を行った。まず、FGF19プロモーターを組み込んだ高感度安定レポータープラスミドを作製し、48-wellプレートにてヒト培養細胞(HEK293)を使ったルシフェラーゼ活性をDual-luciferase sistemにて測定し、FGF19誘導物の評価系を構築した。 FGF19遺伝子周辺において広域的なIn Silico解析を行い、いくつかの転写因子結合サイトや誘導候補物質をピックアップした。FGF19誘導候補物質を上記評価系にて実験した結果、顕著にFGF19転写活性を誘導することができる核内受容体リガンドを発見した。さらに、ヒト腸管培養細胞(Caco2)において、FGF19 mRNA発現を有意に増加させることを確認した。 本化合物がFGF19を介した生活習慣病の改善や骨格筋機能維持に有効である可能性がある。また派生物を評価することにより、より効果的化合物を同定できる可能性がある。今後、より詳細に解析を行うためマウスを用いた生理学的試験が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験計画通り、FGF19誘導化合物のスクリーニング実験系をオリジナルに立ち上げ、in vitro試験によりFGF19誘導化合物を同定することができた。現在、さらに活性の強い化合物の探索を行っている。化合物の構造解析からその構造派生物の評価も行いたい。特に天然化合物に注目しスクリーニングを続ける予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
食事誘導性老化筋萎縮モデルマウスを用いた生理学的試験を行う。 ①自発行動解析(活動量の評価)とμCTを用いた体組成測定(筋肉量及び体脂肪量の評価)筋力の測定と骨格筋重量の測定(白筋として長趾伸筋、赤筋としてヒラメ筋、白筋赤筋混合として腓腹筋を主な解析対象とする) ②ELISA法により血中FGF15濃度を測定する。またキャピラリー電気泳動質量分析装置(CE-MS)を用いて骨格筋および血中アミノ酸濃度を測定し、評価する。 ③骨格筋RNA精製とcDNA合成:定量PCR法を用いて、筋分解マーカーであるMuRF1およびMAFbx mRNA発現の検討とFGF19シグナルEgr1 mRNA発現の検討を行う。骨格筋ホールホモジネート精製:ウエスタンブロットによるmTOR等のリン酸解析により筋合成シグナルを評価する。また、ミオシン重鎖アイソフォームを改変SDS-PAGEゲルにて分離後、銀染色にて可視化し、速筋および遅筋の割合が改善するか検討を行う。 ④腓腹筋組織凍結切片の作製:腓腹筋を液体窒素で冷やした2-メチルブタン中で急速凍結させる。ヘマトキシリン・エオジン染色やSDH染色(細胞ミトコンドリア活性を表す)にて、組織学的に筋細胞面積や割合を観察し、FGF19誘導因子の投与により、萎縮した速筋繊維の改善がみられるか検討を行う。
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Research Products
(4 results)