2021 Fiscal Year Research-status Report
機能性表示食品における臨床試験とシステマティック・レビューの内的妥当性評価研究
Project/Area Number |
21K11604
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
上岡 洋晴 東京農業大学, 地域環境科学部, 教授 (30408661)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 臨床試験 / 機能性表示食品 / ランダム化比較試験 / システマティック・レビュー |
Outline of Annual Research Achievements |
機能性表示食品制度において企業等が製品の届出をするに際しては、機能性の科学的根拠を示す要件として、臨床試験の論文または研究レビュー(システマティック・レビュー)のいずれかが必要である。初年度となる2021年度は、2018年7月1日から2021年6月30日までの3年間において消費者庁ホームページに掲載された103編の臨床試験論文を対象とし、臨床試験登録データベースに登録されたプロトコールの内容と、論文中に記載されている内容の一致性、すなわちコンプライアンスがどのようになっているかを明らかにした。その結果、一致率として、タイトルが52%、介入方法(試験食)が15%、コントロールが13%、アウトカムが68%と低値になっていた。このことは、試験の透明性を担保するための登録にもかかわらず、どのような内容の試験が実施されているか不明なプロトコールが多いことを示している。食品に関する臨床試験ではプロトコールにおいて研究内容の正確な記載を徹底すべきことが示された。 また、臨床研究における世界の最新の研究報告チェックリストとして、システマティック・レビューの報告ガイドライン「PRISMA 2020」と、文献検索報告のガイドライン「PRISMA-S」の邦訳と解説を行い、ヘルスサイエンスすべての分野の人への教育啓発を図ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究プロジェクトでは、3年間で3つの研究課題を包括しているが、計画通り、初年度に1研究が完了し、論文掲載にまで至っている。
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Strategy for Future Research Activity |
2つ目の研究課題である「機能性表示食品の臨床試験におけるバイアスリスクの評価」については研究は完了し、目下、英文雑誌に投稿中である。3つ目の研究課題「システマティック・レビューにおけるAMSTAR 2を用いた研究の質評価」については、現在、プロトコールの検討を開始し始め、2022年度後半から着手する予定である。
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Causes of Carryover |
若干の残高が発生したが次年度活用する。
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Research Products
(5 results)