2024 Fiscal Year Annual Research Report
就業者の潜在的なPTEリスク群に対する一次予防効果の検証
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21K11656
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| Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
久徳 康史 中央大学, 研究開発機構, 機構教授 (70569706)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
檀 一平太 中央大学, 理工学部, 教授 (20399380)
山科 満 中央大学, 文学部, 教授 (40306957)
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| Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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| Keywords | 心理的一次予防 / 就業者 / 心理的状態 / Being |
| Outline of Annual Research Achievements |
今回の一連の研究では、研究代表者らがこれまで災害に対して構築してきたPotentially Traumatic Event(PTE)への心理的適応過程モデルおよび介入法を、就業者が日常的に経験するPTEに応用した。新型コロナウイルス感染症の影響により、2021年度の研究は予定より遅延したが、2022年度には就業者を対象とした介入実験を実施することができた。その結果、仕事を模した記憶課題に対し、自身ではメタ認知が低いことや無意味に見える単純作業であっても、参加者が自ら意味を見出す傾向があることが確認された。2023年度には、この成果を米国のMidwest Academy of Management学会で発表し、高い評価を受けた。さらに2024年度の研究では、一般的に気晴らし効果があるとされる単純な認知課題であっても、実施者の性格や心理傾向によっては、精神的に悪影響を及ぼす可能性があることが示唆された。また、単純課題に無理に意義づけを行うことで、かえってパフォーマンスが低下することも明らかになった。一方で、ポジティブなマインドセットで日常を送ることにより、ポジティブな出来事をより感じやすくなることも確認された。これらの結果は、従来の一律的な介入法では不十分であり、人や状況をタイプ別に分類して対応することで、より有効な介入が可能であることを示している。現在は、2025年度に実施した3件の調査について、学会発表および学術論文としての発表に向けて準備を進めている。以上の成果から、日常的に発生するPTEへの対応においても、災害時と同様に、対象ごとに適切なアプローチを選択する必要性が明らかとなった。
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