2022 Fiscal Year Research-status Report
抗癌剤の用量探索試験のための統計的デザインの新たな展開とその応用
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21K11798
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
大門 貴志 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (40372156)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 抗悪性腫瘍薬 / 用量探索 / Bayes流デザイン |
Outline of Annual Research Achievements |
抗癌剤の最大耐用量は「用量探索試験」(癌患者に抗癌剤を初めて投与し,患者間で用量を増減しながらそれらの毒性を観測し,毒性に耐え得る最大用量を探索する試験)を通じて探索・決定される.このためには統計科学に立脚してデータに語らせる「デザイン」が必要となる.本研究では,この用量探索試験における抗癌剤の最大耐用量の探索・決定のための新しいデザイン及びその拡張並びに関連諸法を開発し,それらの実地での適用可能性を明らかにすることを目的としている.この目的の達成のために,前年度と同様,関連する最新の研究開発動向の調査を継続した.調査結果としては,毒性発現確率に統計分布やモデルを仮定する「モデル支援型デザイン (model-assisted design)」やその拡張形の開発が活発に行われていることに加えて,とくにBayes流最適区間デザイン(Bayesian Optimal Interval Design)法が現時点で主流になりつつあることを確認した.本調査の成果は臨床試験に関する事典にて公表した.また,患者コホートに投与される用量及び観測される毒性のデータに,最大耐用量を関心パラメータとし (第1水準),最大耐用量の位置によってのみ制約を受ける様々な用量反応毒性曲線を表現する族 (事前モデルと呼ばれる) をもつ (第2水準),Bayes流階層モデルに基づく方法論を基盤にした標本サイズ設計の方法論,および毒性が発現するまでの時間に対するデザインも開発中であり,現在これらのプログラミング及びシミュレーションを実行しているところである.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
用量と毒性反応結果に関する高次組合せ計算について,前年度より課題となっていた計算機における中央演算処理及びメモリの限界へ対処するために高度なプログラミング技術を要するだけでなく,有限標本に対する推測論を適用せねばならないことが判明し,その理論構築に相当の時間がかかっており,論文執筆にまで至っていないため.
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Strategy for Future Research Activity |
プログラムにさらに改善を施すとともに,Bayes流の視点から有限標本の推測論を適用することで現状の課題を解決する.
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Causes of Carryover |
COVID-19による国内外の渡航制限のため,旅費を計画通りに使用できなかった.渡航制限も解除されたため,使用を開始する.また,プログラミングに難航していたが,目途がつき次第,ソフトウェアの開発費に充当する.
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Research Products
(2 results)