2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K11852
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
森 信一郎 千葉工業大学, 先進工学部, 教授 (90417220)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 農業 / GAP / UXデザイン / 多変量解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的の一つは既存の農家をその特徴に応じて分類が可能か調査することである。農家の特徴とは農家が農業にどのような思いで取り組んでいるかを数値化したものである。初年度は分析対象となるデータの収集行う予定となっている。データの収集にあたり、対象となるデータで農家の特徴を抽出できるのか事前調査を行った。既存農家のGAP資料をテキストマイニングで分析したところ農家の特徴を概ね抽出できることがわかった。 しかしながら、農家の特徴はGAP資料全体に薄く広く分散しているため、主成分となる特徴を全て抽出するには大量のGAP資料が必要となる。コロナウイルスの蔓延により大量のデータ収集が困難になったため少量のデータでも分析できる手法についての検討を行った。データマイニングは多くのデータの中に必要なデータが埋もれている(粒度が低い)ため、大量のデータが必要である。つまり必要なデータのみを抽出(粒度が高い)すればデータは少量で分析が可能である。一般的には対象者に粒度の高い質問によるアンケートを展開して情報を収集し分析する方法が主流である。しかし、農家の行動がどのような概念に基づき決定されているかわからないため、農家の特徴(行動変数)に沿ったアンケート作成を検討する必要がある。そこでデザイン開発で活用されているUXデザイン手法を用いて農家の特徴(行動変数)を抽出し、それに基づいたWebアンケートを収集して多変量解析を行う手法を考案した。これに伴い、分析対象となる農家や農業法人が変更となるため研究体制の再構築を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定していた農家や農業法人、農業学校法人が管理する情報を収集することがコロナウィルスの蔓延に伴い困難となった。そこで、情報収集の指針を粒度の低い情報を大量に集めるのではなく、少量のより粒度の高い情報を活用する手法に変更したため、それに伴う分析手法の検討や研究体制を再構築する必要が発生し、当初の予定より約5ケ月遅延している。
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Strategy for Future Research Activity |
農家の特徴量を抽出するために農家の行動の基礎になっている特徴(行動変数)の抽出をUXデザインで用いられている手法を活用して行う。農家の活動の事象を十分に広く集めるためにSEPIA法に基づいた農家選別を行う。今回は横浜農業協同組合(横浜JA)の全面的な協力を経て行う。 農家の選別と農家のヒアリングは忌憚のない情報が必要なため、日常的に農家と接している担当営農指導員と協力して行う。ヒアリング後に内容を統合するため、農法や農業指針を抽出しやすいヒアリングシートを作成してSEPIA法の各象限の農家に対して担当営農指導員が主体となってヒアリングを行う。すべてのヒアリングデータを活字化して個別の事象の抽象化、概念化を行い上位下位分析を行えるように統合する。分析によってもとめられた農家の行動変数に基づいてアンケートを策定し、農家にアンケート調査を行う。まずはJA横浜圏内の施設農家を対象に行い、順次対象を広げていく予定である。一方、千葉県の農業法人とも協力体制を確立し稲作を含めた農家に対して同様な作業を行う予定である。 JA横浜、千葉県農業法人を比較分析することで農作物の種類、地域、農業規模などによる差異の抽出も確認する予定である。
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Causes of Carryover |
コロナウィルス蔓延に伴い、当初予定していた出張を中止せざるを得なかったため。次年度は情報収集方法を変更して行うため、協力者との連携を密に行う打ち合わせ費用として使用する予定である。
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