2021 Fiscal Year Research-status Report
情報指向ネットワークによる情報の価値に基づくデータトランスポートシステム
Project/Area Number |
21K11860
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
松園 和久 国立研究開発法人情報通信研究機構, ネットワーク研究所, 研究員 (90751074)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ICN / CCN / NDN / QKDN |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、本格的なIoT時代到来を見据え、急増する通信量に対処可能なネットワークを実現すべく、「情報指向ネットワークによる情報の価値に基づくデータトランスポートシステム」の研究開発を行う。今後更に急増するIoTデータトラフィックを見据え、効率的にネットワークリソースを有効活用するとともに安全な通信を行えるデータトランスポートシステムの開発検討を進めている。自律性を最大限に考慮し、効果的にデータ除去を行い安全な通信を行うためのネットワーク機能をIoTアプリケーションが柔軟かつ巧みに利用可能とすることを目的としている。 初年度(令和3年度)では、リクエストメッセージによる情報取得のためのデータネーミング方式の設計を行った。アクチェーション実行などの条件を示すデータの要件内容(基準値など)と属性内容(位置情報やデータ種類など)を検討し、その指定方式の設計を行った。また、インタレストおよび受信データの内容に応じ、価値指標の導出方式、そして価値指標に基づくデータ転送可否判断方式の検討を行なった。更に、価値が高い情報を安全に配送すべく、量子鍵配送ネットワークの鍵リソース有効活用化を行える情報指向ネットワークと量子鍵配送ネットワークが融合した新たな方式を提案し、IEEE Global Communications Conference (Globecom2021)に論文投稿し採択され、その国際会議にて発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画どおり、データネーミング方式や価値判断方式などの設計を終え、国際会議での発表に向けた準備を現在進めている。更に、本格的なIoT時代到来を見据えた場合、安全な通信を行えることが重要であると考え、情報指向ネットワーク技術を量子鍵配送ネットワークへ応用する手法を提案し、国際会議IEEE Globecomにて成果発表を行なうとともに、論文誌への投稿準備も現在進めていることから、おおむね順調に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度に検討を行なったデータネーミング方式とデータ価値判断方式の検討を基に、性能評価と論文執筆を進めて国際会議論文投稿を行い、本研究の優位性をアピールできるよう研究を遂行する。また、令和3年度に発表したIEEE Globecom2021の提案方式を改良し性能評価を行った後、著名な論文誌へ投稿し、研究成果のアピールと認知を図る。 更に、初年度設計に基づき、シミュレーションのみでなく実機実装を提案方式の検討と並行して進めていき、実ネットワークでの評価環境を整え、最終年度(令和5年度)の研究を円滑に行えるようにする。具体的には、提案トランスポートを実行するためのパケットフォーマットの定義及びプロトコルの詳細設計を行い、オープンソースとして公開されている日本初のICN通信実現ソフトウェア「Cefore」を用いて実機実装を進める。
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Causes of Carryover |
計画時に予定していた国内および国外旅費に関し、コロナウイルスの状況を考慮してオンライン参加とし旅費使用を見送ったため、次年度使用額が生じた。当該金額は使用計画として、シミュレーションおよび実機実装の円滑化を図るべく、物品費として実験用計算機購入に充てる計画である。
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