2022 Fiscal Year Research-status Report
機械学習と無線通信を融合した車両と歩行者の安全で効果的なインタラクションの実現
Project/Area Number |
21K11879
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
和田 友孝 関西大学, システム理工学部, 教授 (20314560)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 尚久 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (20415730)
藤本 まなと 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 准教授 (80758516)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 高度交通システム / 歩車間通信 / 機械学習 / ライダー |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、以下の3つの課題について研究を行った。 (1) 道路上の歩行者の挙動を9軸センサで読み取り、機械学習により学習データを作成して停止、歩行、走行の各状態をほぼ正確に判定できるようにした。各状態の切り替わりにおけるタイムラグが少しあるため、それについても改善を行った。また、行動状態判定のログを解析することにより、どの状態が多いかの傾向を明確にした。 (2) 電柱を想定した円柱面に3種類のリフレクタを組み合わせてリフレクタコードを作成し、車両に搭載したライダーから読み取る実験を行った。リフレクタへ入射する赤外線光の角度により反射強度が変化するため、この角度に依存しにくいカプセルレンズリフレクタを使用して読み取ることで読み取り角度にロバストにすることができた。また、道路脇にある縁石部分にリフレクタコードを作成して読み取る実験も行い、各リフレクタの大きさや設置間隔の限界を明確にした。また、赤外線カメラによるリフレクタコード認識についても検討を行い、車両が高速走行していても認識できることを確認した。 (3) 一般的な交差点を想定し、車両と4人の歩行者を低消費電力広域無線(LPWA)のひとつであるWi-SUNを用いて直接通信を行う歩車間通信の実験を行った。お互いの相対距離と歩行者の状態を考慮して車両に警告することが有効であることを確認した。また、車両と歩行者の間に建物が存在しており直接目視できない状況においても実験を行い、車両から左右方向に関する警告の効果を確認した。警告の方法として、車両と歩行者の相対距離が比較的大きい早い段階での1段階目の存在認知警告と2段階目の衝突予測警告を組み合わせることにより、運転者へ効果的に警告できることを確かめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
主な研究課題である、(1)歩行者の挙動分析、(2)リフレクタコードを用いた情報取得、(3)交差点における安全かつ効果的な車両のインタラクション、の3つの課題に対して、それぞれ順調に研究が進んでおり、これらを連携させて複数の歩行者に対しての衝突回避支援実験も行うことができているため、計画以上に進んでいるといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
現在4人の歩行者と車両を無線通信して衝突回避支援を行うことができているが、さらに多くの歩行者が存在する場合にも対応できるようにするため、歩行者のクラスタ化や歩行者による送信頻度を可変にするなどの検討を行う。 また、歩行者の行動予測に関する精度を向上させて車両へのより適切な警告を行えるシステムへの改善に取り組む。現在は人の運転により実験を行っているが、自動運転車両も使用して衝突回避支援システムの効果を検証する予定である。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、コロナ禍の影響で学会のオンライン会議による交通費・宿泊費などの使用額が少なかったためである。また、研究打ち合わせもオンラインで行う機会が多かったためである。 2023年度の使用計画は、車両を使用した実験に伴う経費、国際会議や国内学会において研究成果発表を行う際の交通費・宿泊費などに使用する計画である。
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