2023 Fiscal Year Research-status Report
超大規模組合せ最適化問題における新パラダイムの構築とその応用
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21K12044
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
外山 史 宇都宮大学, 工学部, 教授 (60323317)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | メタ戦略 / 組合せ最適化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、従来扱うことができなかった超大規模な組合せ最適化問題に対する革新的なアルゴリズムを開発し、様々な問題に適用することでこの分野における新しいパラダイムを構築することである。本年度は、我々が提案した初期近傍探索法の詳細な評価を行うため、最大多様性問題(Maximum Diversity Problem)で公開されているベンチマーク問題を参考に、様々なタイプの超大規模ベンチマーク問題を作成し、初期近傍探索法の有効性についての検討を行った。最大多様性問題は、与えられたn個の要素からm個の要素を選ぶとき、できるだけ多様性を有するように要素を選択する組み合わせ最適化問題であり、ネットワーク設計やVLSI設計など応用範囲の広い問題として知られている。実験の結果、どのタイプの問題においても、初期近傍探索法が超大規模問題において効率的に解を探索できることを示した。また、超大規模問題において重要な要素となる局所探索法についての検討を行い、初期近傍探索法における近傍範囲を可変とする初期可変近傍探索法を提案し、従来の初期近傍探索法よりも探索性能に優れていることを示した。また、初期可変近傍探索法は2次割当問題(Quadratic Assignment Problem)に対しても有効であることを示した。2次割当問題は、n×nのフロー行列とn×nの距離行列が与えられたときに,これらの行列から決定される評価値が最小となるように,n個の要素をnヶ所の場所に配置する最適化問題であり、施設配置問題やVLSIのセル配置問題、ネットワークデザイン問題など応用範囲の広い問題として知られている。さらに、解の近傍範囲に制約を付けることで効率的に探索する、制約付き近傍探索法を、2次割当問題やバイナリー2次計画問題等に適用し、その有効性を示すことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
超大規模問題に対するアルゴリズムの開発が順調に進んでおり、その有効性を示すことができているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究としては、超大規模問題における重要な要素となる局所探索法についての検討を行う。これまでに、制約付き近傍局所探索法が、2次割当問題やバイナリー2次計画問題に有効であることを示すことができたため、様々な問題への有効性を検討することや、探索状況に応じで、制約条件を変える新たな制約付き近傍局所探索法の検討などが挙げられる。
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Causes of Carryover |
シミュレーション用PCおよびUPSが予定した価格よりもやや安く購入できたこと、および年度末での学会発表の出張日程が変更になったことにより次年度使用額が生じた。繰り越し分は、研究成果発表のための旅費の一部に使用する予定である。
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Research Products
(5 results)