2022 Fiscal Year Research-status Report
ゲノムジャンク領域にコードされる機能ペプチドの制御機構の情報学的推定と実験的検証
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21K12107
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
福吉 修一 金沢大学, 薬学系, 講師 (10456410)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 素行 千葉大学, 大学院薬学研究院, 教授 (20377906)
清水 謙多郎 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (80178970)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | uORF / AMBER / 分子動力学シミュレーション / 粗視化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ヒトゲノムにおける非翻訳領域による生理活性機構の全貌解明を目的とし、翻訳に関わるリボソームが、メッセンジャーRNA上の非コード領域の上流にあるORF(uORF)を翻訳する際の挙動を検討するため、80Sリボソームの構造情報解析を中心とした研究を行うことにある。 今年度の助成金は、主に最新版の分子動力学シミュレーションプログラムAMBERおよび分子のコンフォメーション解析プログラムCOFLEXの購入に充てられた。また、シミュレーションは別用途で使用していたコンピュータ(Ryzen Threadripper 2990WX 32CPU×3台)を並列計算用にクラスター化したシステムを用いて行った。 具体的には、uORFペプチドとリボソーム内トンネル部位とのスタッキングについての議論を行うため、トンネルを持つ50Sサブユニットに対する分子動力学シミュレーションを行っており、収束し次第ペプチドとのドッキングを行う予定だった。リボソームの構造は、タンパク質構造データバンク(PDB)から入手(PDBID: 4UG0)し30Sサブユニットを除去したモデルを用い分子動力学シミュレーションソフトウェアAMBERにより計算を行った。 しかし、リボソームのような分子量が2,700,000を超えるタンパク質とRNAの巨大分子複合体において上記全原子シミュレーションは1回の計算に多くの計算コストが必要となり、収束までに時間がかかることが判明した。そのため、計算コストを削減する目的で、精度は落ちるが残基を1個の粒子として近似するGOモデルを用いた粗視化についての検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
MDシミュレーションを行ったが、思うように収束させることができなかった、巨大分子ということもあり、粗視化モデルについての検討を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
リボソームの粗視化モデルを用いたシミュレーションを行い、スタッキングについての検討を行う。 粗視化モデルでは精度が落ちてしまうという問題があるため、トンネル部分のみを切り出したモデルを用いてのシミュレーションも並行して検討する。 また、ESUCA法を用いた、ゲノムのデータベース横断解析を行い進化保存的uORFの探索も行う。
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Causes of Carryover |
初年度GPUの購入をしなかった分の繰越があった事に加え、予定していたMDシミュレーションの結果が得られなかったことから、ドッキングシミュレーション用のソフトウェアの購入をしなかった。 本年度購入し使用する予定である。
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