2023 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノムジャンク領域にコードされる機能ペプチドの制御機構の情報学的推定と実験的検証
Project/Area Number |
21K12107
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
福吉 修一 金沢大学, 薬学系, 講師 (10456410)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 素行 千葉大学, 大学院薬学研究院, 教授 (20377906)
清水 謙多郎 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (80178970)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 粗視化 / Martini / uORF / ドッキングシミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ヒトゲノムにおける非翻訳領域による生理活性機構の全貌解明を目的とし、翻訳に関わるリボソームが、メッセンジャーRNA上の非コード領域の上流 にあるORF(uORF)を翻訳する際の挙動を検討するため、80Sリボソームの構造情報解析を中心とした研究を行うことにある。 今年度の助成金は、主に最新版の分子動力学シミュレーション実行用PCのアップグレードのためのCPU、ロジックボード、メモリーの購入に充てられた。また、シミュレーションは別用途で使用していたコンピュータ(Ryzen Threadripper 2990WX 32CPU×3台)を並列計算用にクラスター化したシステムを用いて行った。 具体的には、uORFペプチドとリボソーム内トンネル部位とのスタッキングについての議論を行うため、トンネルを持つ60Sサブユニットに対する分子動力学シミュレーションを行う必要がある。分子量280万の60Sサブユニットについて全原子シミュレーションを行うのは計算コストの点から現実的ではないためタンパク質のアミノ酸残基およびRNAのヌクレオチドを数個のユニットとして粗視化を行い、GROMACSを用いて粗視化力場による分子動力学シミュレーションを行った。 また、uORFからは100残基未満のペプチドが翻訳され、その一部は生理活性をもっていることが知られている。このペプチド鎖とタンパク質とのドッキングシミュレーションを行い、生理活性発現の機構解明を目的とした調査を行った。
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