2022 Fiscal Year Research-status Report
Deep Micro Vibrotactile, DMV for Dementia and its Application for Dementia
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21K12108
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
鈴木 泰博 名古屋大学, 情報学研究科, 准教授 (50292983)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大田 秀隆 秋田大学, 高齢者医療先端研究センター, 教授 (20431869)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 深層振動 / 認知症 / 臨床研究 / 酵母 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、新型コロナウィルス蔓延のため、臨床研究のために病院や老人健康施設での臨床実験が困難であった。その一方で、一般の方々のなかに協力者が少しずつ増えてきた。一般の協力者については、専門の医療従事者による認知症の検査などを行うことはできないが、家族へのインタビューなどにより、効果の実証ついて検討することができる。 DMVを人工知能と組み合わせ、各々のユーザーにあわせて提示する振動刺激を最適化するためのシステムの実装を行なった。このシステムは、ユーザーの事前の状態を顔写真の分析により行い、その状態にあわせて振動刺激を生成してユーザーに提示し、刺激後に再びユーザーの顔写真を分析し提示した振動刺激の有効性を評価し、学習するものである。認知症の臨床研究に本システムを応用するのは、さまざまな制約があるために顔型振動提示装置を用いて本システムの評価を行なった。 また、深層振動(Deep Micro Vibrotactile、DMV)の細胞・生物応答の基礎実験を中心に行なった。臨床研究で使用したものと同様のDMVを出が細胞・生物に暴露し、応答を調査した。鈴木は出芽酵母をもちいて、共同研究者の大田は培養細胞などをもちいて、実験を行なった。 鈴木の出芽酵母による実験では、寒天培地に播種した場合と液体培地の場合の2種類についてコントロール群(DMV暴露なし)とDMVの暴露群についての比較を繰り返し慎重に行なった。その結果、DMV暴露群ではコントロール群と比較して酵母の活性が変化することを確認し、その原因についてさまざまな方面から検討と、そのための実験を繰り返した。2022年度中に、ほぼDMVにより酵母の活性が変化する原因を特定することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究は深層振動(DMV)の認知症への臨床応用を主な目的とするものである。これまでに、DMVの暴露により認知症が改善されることを40症例程度の臨床実験により確認してきた。 また、ユーザーにあわせて個別にDMVを生成するシステムについては、実際に臨床実験を開始してみるとさまざまな制約があるために、まず顔型振動提示デバイスを用いてシステムの構築を行なった。このシステムでは、現在のところ、顔写真の分析をもちいて提示した振動刺激の評価を行なっているが、これは他の分析方法に入れ替えることができるようにシステムを構築している。また、本システムは個別に振動触覚を呈示するようになっているが、振動触覚のかわりにDMVを呈示することができるようにシステムを構築した。そのため、本研究の目的の一つであった、個々のユーザーの状態にあわせてDMVを生成するためのシステムを完成させることができている。 それに加えて、使用するDMVの評価を行うために基礎生物学実験を行い、出芽酵母や培養細胞をもちいた実験から、DMVによりコントロール(暴露なしの場合)と比較して、活性が統計的に有意に異なることを確認した。さらに、2022年度は出芽酵母において、DMVの暴露により活性が変化する機序を発見した。当初は基礎生物学実験によるDMVの細胞・生物への作用の機序を解明することまでは予見しておらず、本研究での重要な結果のひとつとなっている。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は新型コロナウィルス感染症による影響が少なくなってきたため、秋田県を中心として病院や老人健康施設などでの臨床研究の症例を増やしていくことを予定している。すでに2023年4月には秋田県で20例ほどの臨床研究を開始している。また、一般の協力者の方々も東京都や長野県などで増えつつあり、実証研究数も増加の傾向にある。これまでにDMVの暴露による認知症の改善について確認してきたが、さらに症例を増やしその結果をさらに確かなものとする。 また、2022年度までに完成したユーザーの状態にあわせてDMVを生成する、人工知能システムについては、学習アルゴリズムをより最適なものへと発展させる。また、DMVを含む音響・触覚刺激の生成アルゴリズムもさらに最適なものへと発展させ、システムの完成度を高める。 また、これまでのDMVによる臨床研究・実証研究により、DMVの暴露の方法についてさまざまな改善点が明らかになってきた。本年度は、それらを検討し、より簡便で効果的に本法を使用することができるように、使用するデバイスやシステムに改良を加えていくこととする。 DMVの基礎研究については、前年度までに出芽酵母を用いた暴露実験で、DMV暴露による活性の変化と、その機序がほぼ明らかになってきた。本年度はこれまでの実験結果をまとめて研究論文として報告する。また、低周波暴露についての細胞・生物応答については出芽酵母以外にも報告があることから、がん細胞への応用や、免疫活性の変化などについても検討する。
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Causes of Carryover |
これまで新型コロナウィルスの蔓延のため、予定していた臨床研究が延期となったために、次年度使用額が生じた。新型コロナウィルスの感染状況が沈静化しつつあるため、これまで延期していた臨床研究を予定通り開始していくために当該予算を使用する。
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Research Products
(1 results)