2022 Fiscal Year Research-status Report
Attempt of comprehensive frailty intervention for elderly people at home by eating together using ICT equipment
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21K12151
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Research Institution | Seijoh University |
Principal Investigator |
藤田 高史 星城大学, リハビリテーション学部, 教授 (10460627)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
能登谷 晶子 福井医療大学, 保健医療学部, 非常勤講師 (30262570)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | フレイル予防 / 介護予防 / 認知症予防 / TV電話 / 共食 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は高齢者に対する、身体面、認知面、精神・心理面の包括的フレイル予防を行うものであり、我が国が高齢者のみの世帯が多い現状を鑑み、予防活動に参加しやすい環境づくりにも考慮する必要があることから、地域在住者に対して、TV電話システムを利用し遠隔から共食と脳トレ体操を実施した場合の、身体面、認知面と精神・心理面の効果について、検証するものである。令和4年度は予備実験として健常な若年者を対象に検討した。 対象は健常大学生10名(平均年齢20.0±1.1、女性4名、男性6名)とした。方法は、対象を無作為に5名ずつに分け、クロスオーバーデザインを用い、無介入期と介入期をそれぞれ2週間とし、その間のインターバルを2週間設け、各期の前後の2時点で、下肢筋肉量の測定と改訂ウェクスラー記憶検査(WMS-R)の論理課題、WHO-5精神的健康状態表、Rosenberg's Self Esteem Scale (RSES)の評価を実施した。介入期には見守りTVカメラ「タピア(i-SEED製)」を用いて1日一回の共食とコグニサイズを20分間実施し、アンケートを実施した。分析は、各期の2時点の結果に対しt検定もしくはWilcoxon順位和検定を用いて比較し有意水準は5%とした。 結果は、無介入期の前後比較ではいずれも有意差を認めなかったが、介入期では、WMS-R論理課題が31.4±5.0点から35.4±4.1点(p=.039)に、RSESは26.7±6.3点から29.0±6.0点(p=.013)と有意に得点が向上した。下肢筋肉量については差が認められなった。アンケートでは脳トレ時にTV電話画面が見えにくいとの意見が挙がった。 今回の結果は、遠隔からの共食や脳トレ介入であっても記憶面や自己肯定感への効果が期待できる可能性を示した。また、TV電話時の画面の見やすさには対策が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度と同様に令和4年度においても新型コロナ感染拡大の影響で、健康サロンや介護予防教室が開催されず、本研究が対象としている地域在住高齢者に対して研究協力を得る機会を持つことが出来なかった。予備実験に対しては予定通り実施することができた。 そのため、研究はやや遅れているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度は、新型コロナが5類に移行されるため、研究フィールド内の健康サロンや介護予防教室が開催される予定である。従って、本年度に関しては、地域在住高齢者を対象に20名のデータ収集および分析を予定している。令和6年度には同じく20名を予定している。 予備実験で、下肢筋肉量に有意な差が認められなったのは、若年健常者を対象としたため、普段の生活活動量の方が大きく影響しているためではないかと推察された。高齢者を対象とした場合も普段の運動量をチェックしておく必要があるものと考えられる。予備研究で課題に挙がったTV電話時の見やすさについては、見守りTV電話「タピア」より画面が大きいタブレットパソコンを使用することで対応したい。
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Causes of Carryover |
新型コロナの影響で、高齢者対象の介入ができず、その分、研究謝礼費の使用が抑えられることになったため。
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Research Products
(2 results)