2021 Fiscal Year Research-status Report
Withコロナに対応した高度オンライン臨床実習システムの構築と効果の検証
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21K12156
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
伊勢 孝之 徳島大学, 病院, 助教 (90621649)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八木 秀介 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 特任教授 (00507650)
門田 宗之 徳島大学, 病院, 特任助教 (00645187)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 学習支援システム / Withコロナ / オンライン / 臨床実習 |
Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナウイルス(COVID-19)蔓延により、これまで実施してきた臨床実習が困難となった。感染対策の観点から、実習生の患者への直接接触の禁止や、検査・治療の見学時間・人数制限など、COVID-19感染症蔓延前とは全く異なった臨床実習環境となり、外来や病棟、心臓カテーテル室や手術室での実習も困難な状況となった。このようなCOVID-19感染症蔓延の状況で、医療教育を衰退させないかが現状の大きな課題である。そこで、COVID-19の感染対策に配慮し、従来の臨床実習に遜色のないオンライン臨床実習システムを構築することを目的とした。 徳島大学医学部ならびに徳島大学病院で医学科オンライン臨床実習実施における注意事項を定め、患者個人情報保護が徹底できる専用のオンライン実習室を設けた。Withコロナに対応した高度オンライン臨床実習システムのために必要な、遠隔画像音声(WebカメラやWebマイク)システムを処置室やカテーテル室などに設置し、共同体験、疑似手術体験などがリアルタイムにできるための環境を構築した。実習参加者は主に本学の医学生で、BCPレベルが高く学生が病院に立ち入りができない時期は全員オンライン参加とし、BCPレベルが低い時期は密を避けるため現場参加とオンライン参加のハイブリッド実習とした。オンライン実習により多人数の学生に対して、検査や処置をリアルタイムでの共有が可能となり、得られた実習体験から、症例のまとめ・考察とプロブレムリスト、アセスメントプランをプレゼンテーションできるようになった。指導医とともにディスカッションを行い、実習のフィードバックまで実施し、課題や学習目標を上げれるようになった。本研究での現状までの取り組みと成果を、第27回日本心血管インターベンション治療学会中国四国地方会で「Withコロナに対応した心臓カテーテルオンライン臨床実習システムの構築」という演題で報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究に必要なオンライン実習専用実習室や、ネットワーク環境、カメラ、マイクなど、必要な環境を構築することができ、オンライン実習が予定通り開始できている。また、COVID-19感染症の流行状況に合わせ、現地での臨床実習とオンライン実習をうまく併用することもできている。密になる環境下では現地参加とオンライン参加とのハイブリット臨床実習も可能となった。また、オンライン実習の方法論や成果なども現状でできている範囲を中心に学会報告も実施できた。
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Strategy for Future Research Activity |
実施した高度オンライン臨床実習の効果ならびに今後の課題・問題点を検証する。効果の検証はアンケート調査や、獲得項目の達成度、試験成績などを用いる。アンケート調査では、臨床実習を受けたことによるメリット、デメリット、改善点などを明らかにする。また、高度オンライン臨床実習が成績にどのように寄与するかを導入前と比較し調査する。今後の課題・問題点は、実習生、実習に協力いただいた患者、医療従事者のアンケート結果をもとに検証を行う。 また、実施してきた高度オンライン臨床実習を用いて他施設にも提供可能な高度疑似体験教材やハンズオン教材、オンデマンド型の教育教材の作成を行う。教育教材は、広く提供できることを目標に、教育効果が高くまた、中心静脈カテーテル留置や、気管内挿管など臨床医が獲得すべき代表的な手技を中心に作成する。いずれの教材も、個人情報が特定できないコンテンツ、教育教材として作成する。
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Causes of Carryover |
本年度に購入予定であった機材が在庫不足で入手できなかったため、次年度使用額が生じた。次年度にオンライン実習システム開発の研究費と合わせて使用する計画である。
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Research Products
(1 results)