2021 Fiscal Year Research-status Report
DMO's Role as a Policy Entrepreneur in Shifting from Quantity to Quality on Tourism Policy
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21K12474
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
石黒 侑介 北海道大学, メディア・コミュニケーション研究院, 准教授 (00743238)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | DMO / 観光協会 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画では、当初1年目にスペインのバルセロナ市を対象とした調査を行う予定であったが、新型コロナウイルス感染症の拡大によってスペインへの渡航が難しくなったこと、調査対象として想定される市政府、DMO等の協力を得ることが困難となったことを踏まえ、国内での調査に変更した。 具体的には、北海道内の「登録DMO」および「候補DMO」を対象に質問紙を用いたインタビュー調査を行い、既に別の研究課題で行っていた一般の観光協会との比較を行った。その結果、「登録DMO」や「候補DMO」は一般の観光協会に比べ①予算規模が大きいこと、②予算に占める補助金の比率は同等水準にあること、③物販収入の比率が低いこと、④自治体や国からの委託費や指定管理料が大きいこと、などが明らかになった。また事業分野においては、「登録DMO」や「候補DMO」は、一般の観光協会に比べて地域内のステークホルダーとの連携を重視しない傾向にあることが分かった。以上の結果から、「登録DMO」や「候補DMO」は、「量から質への」観光政策の転換に関与することが構造的に極めて難しいことを確認した。 さらに、研究代表者が有識者委員として関与する一般社団法人八重山ビジターズビューローに対して、観光の「量から質へ」の転換プロセスへの関与について、実証的な検証を行い、北海道内を対象とした調査の結果が道外のDMOにおいても一定程度該当することを確認した。 なお、これらの研究実績を一般財団法人北海道東北地域経済総合研究所が主催する地域経営研究会で発表したほか、北海道経済連合会、公益財団法人はまなす財団との共同研究レポートとして発行した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の収束が当初の見込みより遅れたため、国外での調査を全面的に中止し、国内事例の調査へと振り返る措置を執らざるをなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
国外事例の調査の可否がしばらくは見通せないことを踏まえ、まずは国内のDMOを対象に政策形成過程への関与プロセスの解明を進め、「日本におけるDMOの政策関与」に限定して仮説的な理論構築を試みる。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の拡大により事例調査対象だったスペインへの渡航が難しくなったため、代わりに国内調査を行い、差額を次年度に繰り越すこととした。また国外調査に使用するための機材についても当該調査が中止となったことから購入を次年度に繰り越すこととした。次年度は、国外調査への旅費(スペイン、10日間)と現地調査に利用するためのノートPCの購入に充てる予定である。
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Research Products
(3 results)