2021 Fiscal Year Research-status Report
Color image processing with reversible transformation
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21K12580
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
今泉 祥子 千葉大学, 大学院工学研究院, 准教授 (80535013)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | コントラスト強調 / 彩度向上 / 可逆性 / 情報埋込み / HSV色空間 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度では,彩度および輝度コントラストを可逆に向上・強調させることのできる画像処理手法を開発した。近年,SNS などの普及に伴い,画像処理アプリケーションを利用する機会が増加している。しかしながら,ほとんどの画像処理手法では,可逆性が保証されておらず,画像処理後に原画像を再び取得するためには,編集データや原画像自身を保存する必要がある。従来の研究では,画像セキュリティ技術の一つである情報埋込み技術を利用し,可逆な輝度コントラスト強調について検討されてきたが,対象がグレースケール画像のみであったり,カラー画像に拡張した場合に完全な可逆性が保証されなかったりなどの課題が生じていた。 上記の課題に対応するため,本研究では,まず,カラー画像を対象として可逆性を保証した上で,輝度コントラストの強調に加え,彩度向上も可能とする手法を提案した。この手法では,予測誤差を利用したPrediction-Error Expansion with Histogram Shifting法を利用し,復元に必要な情報を埋め込むことで原画像を再構成できる。さらに,彩度と輝度コントラストに対し,独立したパラメータを用いることで,彩度の向上と輝度コントラストの強調の度合いを個別に調整できる。ただし,この手法では,輝度コントラストの強調処理に伴い,彩度に歪みが発生してしまう。そこで,この手法をさらに拡張し,HSV色空間に基づき,輝度コントラストの強調と彩度の向上を完全に独立して施すことができる手法を開発した。シミュレーションにより,色相の歪みなく,彩度の向上および輝度コントラストの強調を独立して実現可能であるとともに,原画像を完全に再構成できることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の目標は,色相・彩度・輝度の調整における可逆性を検討することであった。ここまでで,輝度コントラストの強調と彩度の向上の二つの処理が完全に独立かつ可逆に実現できた。色相についても検討は行ったが,色相のシフトは,見た目の好ましさを保つことができない場合が多かった。そのため,彩度と輝度の調整に注力し,調整レンジを広く確保しつつ,完全な可逆性を実現することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度では,フィルタを導入し,平滑化・先鋭化の可逆処理を検討する。これらの処理では,一般に,丸め誤差の影響によって処理後の画像からもとの画像を完全に復元することが困難である。そこで,この誤差を保存することにより可逆性の保証を検討する。おもに,フィルタの設計や誤差情報の削減について研究する。
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Causes of Carryover |
当初予定していた現地参加の学会や研究打合せのための出張が,コロナ禍の影響を受けたことにより変更が生じている。
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Research Products
(4 results)