2021 Fiscal Year Research-status Report
現代日本語オノマトペの語義とコロケーションに基づくオノマトペ実用辞書の構築
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21K12584
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Research Institution | Hokkai-Gakuen University |
Principal Investigator |
内田 ゆず 北海学園大学, 工学部, 教授 (80583575)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒木 健治 北海道大学, 情報科学研究院, 教授 (50202742)
木村 泰知 小樽商科大学, 商学部, 教授 (50400073)
高丸 圭一 宇都宮共和大学, シティライフ学部, 教授 (60383121)
乙武 北斗 福岡大学, 工学部, 助教 (20580179)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | オノマトペ / 語義 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、多様なコーパスを分析して、オノマトペの出現傾向および語義の傾向、新出の語義・用法、オノマトペの語義と文脈情報の関係などについての基礎研究を完成させ、『現代日本語オノマトペ実用辞書』を構築することを目的としている。 2021年度はWeb文書からのオノマトペ抽出、雑誌に出現するオノマトペの語義と文脈情報の分析、地方議会会議録に出現するオノマトペの辞書構築を行う計画であった。新型コロナウィルスの影響により研究分担者との共同作業が滞っており、当初計画していた作業の一部は遂行できなかったが、当該年度は以下の研究成果を得た。 オノマトペ実用辞書を構築するためには、収集した用例を語義ごとに分類する必要がある。BERTから得られるオノマトペのベクトル表現を用いることで、小規模な訓練データにおける語義分類の自動化を試みたが、訓練データが少ない場合や文脈に特徴がない場合では分類精度が悪く、精度が不十分であることが明らかになった。したがって、オノマトペの辞書にある用法から生成したルールによる語義分類を行う手法を提案した。多義のオノマトペを対象として分類実験を行った結果、いくつかの語義において高い精度が得られた。この成果は学会発表で公表済みである。 また、これまでの分析により得られた知見をまとめ、研究成果を広く一般に発信するために、書籍「自治体DX推進とオープンデータの活用」内で地方議会会議録におけるオノマトペの特徴について執筆した。具体的には、オノマトペを自動で抽出する方法、使用傾向や地域差を述べた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染症の影響により、研究分担者間の打ち合わせや共同作業が滞っている。また、データ集計などを行うアルバイターを雇用することができなかったため、全体に遅れが生じた。 上記の理由から、「遅れている」と判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、感染状況を考慮しながら分担者とともにデータの抽出や分析を行うためのまとまった時間を確保し、辞書の構築を推進する。 新型コロナウィルス感染症の影響が続くことを前提にアルバイターの雇用を断念し、研究分担者間で作業を完結することを目指す。
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Causes of Carryover |
当初の計画では、アルバイターの雇用、学会での研究成果発表に伴う旅費・参加費を支出する予定であった。しかし、新型コロナウィルス感染症の影響によってアルバイター雇用ができなかったこと、学会がオンライン化したことによって、支出総額が計画よりも少なくなった。 2022年度において、オンサイトで開催される学会への旅費・参加費や分担者とオンラインで共同研究を推進するために必要な機器の購入に充てる。
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