2023 Fiscal Year Research-status Report
An empirical analysis of the impact of media use on opinion extremism, tolerance and online posting behaviour
Project/Area Number |
21K12586
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Research Institution | International University of Japan |
Principal Investigator |
山口 真一 国際大学, GLOCOM, 准教授(移行) (60769529)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ソーシャルメディア / マーケティング / オンラインコミュニケーション / データ分析 / 社会情報学 / 新型コロナウイルス / 偽・誤情報 / 消費行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
高度情報社会における人々の発信行動、リテラシー、消費行動等について実証研究を実施し、随時学術論文などで発表を行った。これには査読論文5本を含み、うち4本が国際ジャーナルとなる。 研究内容は多岐にわたる。例えば、ファクトチェックの有効性とリテラシーの関係、及びファクトチェックの有効性とメディアの関係を分析した研究では、以下の3つのことが明らかになった。第一に、ファクトチェックを通じて正確な認識を得るためには情報リテラシーが重要であること。第二に、新型コロナウイルスに関する偽・誤情報の場合、ファクトチェックはSNSよりも政府のウェブサイトから発信される方が効果的であること。第三に、ファクトチェックを行った後でも、少なくない人が偽・誤情報を真実と誤認したこと。これらの結果は、受信者に必要なリテラシーがない場合、ファクトチェックが逆効果になる危険性も示唆している。 また別の研究では、チーム主導型プロジェクトについて、チーム内のコミュニケーションと雰囲気がチームの創造性に及ぼす影響を検証した。分析の結果、交絡因子をコントロールすると、チームの創造性と有意な正の相関を示したのは、「対面でフォーマル」と「非対面でプライベート」のコミュニケーションのみであった。特筆すべきは、非対面かつプライベートなコミュニケーションの頻度が高いほど、チームの創造性が高まるということであった。本研究は、本科研費プロジェクトにおいて、人々のオンラインコミュニケーションのネガティブな側面だけでなく、ポジティブな側面にも焦点を当てているといえる。 さらに、人々の意見変容とメディア利用の研究に関しては、3回実施する予定であったアンケート調査は全て完了し、データ収集・整理を行っているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
多くの研究成果を発表しているうえ、新たな研究設計も行っているところで、当初の計画以上に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
随時関連研究を進めていき、最終年度には更なる研究成果の公表を行う。
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Causes of Carryover |
データの取得方法を工夫したり、想定していたリサーチアシスタントの雇用を他の予算・研究で支出したりすることで、使用金額を抑えることができた。使用金額を押さえた理由は、2023年度と2024年度の予算を合わせて1つにすることで、大型アンケート調査を実施するためである。そのため、今後の使用計画としては、アンケート調査をメインに、その他旅費などで使用する。
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