2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K12589
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
林 武文 関西大学, 総合情報学部, 教授 (90268326)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井浦 崇 関西大学, 総合情報学部, 教授 (90554519)
長谷 海平 関西大学, 総合情報学部, 准教授 (20633895)
一色 正晴 愛媛大学, 理工学研究科(工学系), 講師 (30583687)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ミュオグラフィ / 古墳の内部調査 / 可視化 / ミュオン |
Outline of Annual Research Achievements |
新世代ミュオグラフィを用いた未発掘の古墳の透視実験を開始するとともに、古墳の内部構造の検出を目的とした、画像処理とシミュレーション技術の開発に着手した。 計測と解析は、岡山市造山古墳を対象に行った。同古墳は5世紀前半に建造された墳丘長350m、高さ29m の前方後円墳であり、全国第4位の規模を持つ大型古墳である。しかしながら、古墳内部は未発掘であり解明されていない。今回の計測実験では、石室が存在すると見込まれる後円部を中心に、2地点からミュオンの透過数をカウントした。第1次計測(2021.4.24開始)と第2次計測(2022.1.29開始)により、それぞれ93 日および91 日分の採取データから透過画像を生成した(第2次地点での計測は現在も継続中)。計測範囲は、500mrad(57.2度)×250mrad(28.6度)であり、ミュオンの透過画像の解像度は、128×64画素である。 古墳の3次元モデルとして、造山古墳等高線図(岡山市文化財課)のベクトルデータよりポリゴンモデルを作成した。次に、装置の位置に同じ画角のカメラを設置してレイキャスティングによるレンダリングを行った。ここでは、ミュオンの透過長の分布を得るために、ポリゴンモデルをボクセル化し、レイに沿ってボクセルの数をカウントした。石室は、4~5 世紀の大型古墳の竪穴式石室を想定して、石室と石棺の空洞を古墳の内部に設定した。計測結果と比較することにより、内部構造の推定の基本となるデータを得た。 今回の研究期間では、透視実験および石室を仮定した透過シミュレーションまでを実施し、透過画像の解釈のための基本データを得た。ただし、透過画像のノイズ除去を行う必要があり、MRF モデルを用いた確率的画像処理の適用を検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画書の通り、大型古墳の透視実験および石室を仮定した透過シミュレーションまでを実施して、透過画像の解釈のための基本データを得た。
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Strategy for Future Research Activity |
透視実験に関しては、計測精度を向上させるために計測を継続している。今後は、さらに別地点からの透過画像の計測を行う予定である。また、得られた透過画像に対しては、ノイズ除去を行う必要があり、MRF モデルを用いた確率的画像処理の適用を検討する。 シミュレーションに関しては、様々なサイズの石室の空間を仮定した透過シミュレーションを行い、計測結果との対応付けを試みる。
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Causes of Carryover |
消耗品購入において、予定額よりも2,950円分の残額が生じたため、次年度に繰り越して使用する。
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Research Products
(4 results)