2021 Fiscal Year Research-status Report
超高齢社会における健康増進のためのICT/IoT利活用に関する研究
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21K12593
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
浦田 真由 名古屋大学, 情報学研究科, 准教授 (70634947)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 孝美 名古屋大学, 情報学研究科, 教授 (60183977)
井上 愛子 名古屋大学, 未来社会創造機構(医), 特任講師 (10805245)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ICT/IoT利活用 / スマートスピーカー / 超高齢社会 / 健康増進 / Society 5.0 / フレイル予防 / データ利活用 / デジタルデバイド |
Outline of Annual Research Achievements |
超高齢社会において,高齢者の社会的孤立をいかに防ぐかは自治体の大きな課題となっているが,新型コロナウイルス感染症の影響により,地域での高齢者支援サービスの実施が困難となっている。本研究では,地域在住高齢者の健康増進のためのICT/IoT利活用を社会情報学と老年医学の学際研究として取り組み,地域への実装によってその効果を検証する。健康寿命を延ばすためのモデルを構築し,地域ICT/IoT 利活用を支える担い手の育成を行うことで,研究期間後も取り組みを継続させることを目指している。 【2021年度:スマートスピーカーを用いた健康増進アプリの開発および利活用へ向けた検討】 名古屋大学抗老化グループ(井上ら)が,健康寿命・社会参加寿命の延伸に向けて,開発してきた健康増進プログラムを,自宅にいながら継続できるよう,スマートスピーカー向けアプリを開発した。体操・栄養など介護・認知やフレイル予防に繋がるアプリを開発し,高齢者が音声操作だけで教育プログラムの動画やコンテンツを利用できるようにした。また,ネットワーク接続されたスマートウォッチ(心拍数・歩数等の測定)やスマート体組成計(体重・体脂肪率等の測定)を活用し,自動的に健康に関するデータを取得・活用することで,健康管理への意識向上に繋げられるかどうかの検討を行った。 また,愛知県豊山町において,高齢者のICT利活用を支援するインストラクタの育成にも取り組んでいる。地域と自治体が一体となり高齢者の継続的な ICT 利活用の支援を行う体制を検討した。その他,高齢者のデジタルデバイドに対応するための「デジタル相談会」を名古屋市北区・高山市・安城市と連携して開催するなど,高齢者へ向けたICT利活用に取り組んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度の取り組みにおいて,新型コロナウイルス感染症の影響を受けながらも,感染対策を実施した上で,自治体と連携した実証実験を行う等,当初の研究目標はおおむね順調に進展している。 本研究で開発してきた栄養と体操アプリ(スキル)については,一定の成果が示されてたため,今後業者に引き継ぎ,実サービスとして活用していくことを検討している。 また,豊山町等で取り組んだ結果については,学会にて発表を行い,研究発表賞を受賞している。安城市で実施した「デジタルなんでも相談会」については,新聞でも紹介されるなど,有用な研究成果が示されつつあり,今後も自治体との連携を進めていく。
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Strategy for Future Research Activity |
現在のところ,研究の推進に大きな問題はなく,今年度も当初の計画に沿って研究を遂行していく予定である。2022年度は,2021年度に引き続き,地域高齢者にスマートスピーカーとスマートウォッチ・スマート体組成計等を貸し出し,健康増進プログラムを自宅で実践する実証実験を実施する。被験者に対し,定期的なヒアリングやアンケート調査を行い,開発した健康増進アプリ(体操・栄養)を日常生活で継続的に利用できるか,また,見守りや健康増進に繋がるかどうかの効果検証を行う。 そして,実践を通じて健康寿命を延ばすためのモデルを構築し,地域のICT/IoT 利活用を支える担い手(インストラクタ)の育成に取り組む。担い手自身がICT/IoT 利活用に取り組めるようにすることで,研究期間後も取り組みを継続させることを目指していくと共に,自治体や福祉関係者への情報提供や意見交換を行い,行政サービスとしての活用に適した手法についても模索する。
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Research Products
(4 results)