2023 Fiscal Year Research-status Report
Micro insemination supporting device using the 3D model of oocyte based on machine learning and image processing
Project/Area Number |
21K12719
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Research Institution | Daiichi Institute of Technology |
Principal Investigator |
内村 俊二 第一工科大学, 工学部, 教授 (50203550)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大惠 克俊 日本文理大学, 工学部, 教授 (80388123)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 顕微授精 / 支援デバイス / シミュレータ / 3DCG / 技量評価 / 機械学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
顕微授精を行う胚培養士の効率的な育成、技量の維持・向上および手技支援を目的とした「顕微授精支援デバイス」の実現を目的とする。卵子の3次元CGモデルを用いることで、実際の卵子・精子を用いず簡便に練習ができる顕微授精シミュレータ、さらに、熟練者の操作を記録する機構を追加し得られた操作データや、実際の卵子画像から画像処理により抽出した情報を反映した手技支援データを生成、これを用いた部分的な自動化等の顕微授精手技支援システムへの発展を目指す。 研究の第3年度として次の成果を得ている。 ・卵子の物性に近い特性を持つ3次元モデルについて、CGツールUnityの物理エンジンを用いて、粒子とバネ・ダンパで構成される3次元弾性体モデルを作成し、注入ピペットモデルの刺入により卵子膜モデルが弾性的に変形する表示機能を実現した。特に、515個の粒子で球状の弾性体モデルを構成し、卵子膜のより精細な挙動を表現することができた。また、実際の顕微鏡画像から、卵子の膜、注入および固定ピペットを画像処理手法により抽出した。 ・昨年度開発した、コントローラの動作をボルトオンで測定できるデバイスおよび計測アプリケーションソフトウェアを用いて、熟練の胚培養士の授精手技操作および初級者の操作を記録し、それぞれの特徴を分析した。結果として両者には明らかな違いが見られ、検出した熟練者のデータは手技支援データとして有効に利用できると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画に対してやや遅れている、と評価する。 卵子膜モデルについては、高精細な弾性体挙動の表示が実現できた一方で、挙動パラメータの最適化が課題として残っている。 また、顕微画像の機械学習について、学習データの作成については準備できた一方、機械学習システムについては実装・検証ができていない。 また、操作検出デバイスに関しては、PCへのデータ転送を従来のUSBからBluetoothに変更し、無線でデータを転送できるように改良した。本試作デバイスを用いて熟練者3名と初級者2名の顕微授精時の操作データを測定、評価を行った。結果として、熟練者と初級者では針の抜き差し、z軸調整、授精操作に必要な時間等において大幅な差異が見られた。従って本デバイスの操作検出の有用性が明らかとなった。しかし時間的な問題から被験者が少なく、今後増やす必要があると考えられる。 上記の状況のため、1年の期間延長を申請している。
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Strategy for Future Research Activity |
画像・CG関連については、機械学習の手法を用いて実物の動きを模倣できるように挙動パラメータの最適化を行う。また、画像処理による紡錘体位置の同定や、顕微鏡動画からの膜や固定・注入ピペット個々の同定を目指す。 操作検出デバイスに関しては、より多くの胚培養士の操作データをより長期にわたり実施、授精成功率と操作データを統合し「正しい」操作データの抽出を行う。 さらにこれらの成果を統合しシミュレータのプロトタイプを作製、胚培養士による使用感および動作の検証を行い、改良点を検討、改良を行う。
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Causes of Carryover |
物品費に関しては、半導体不足による一部機器の高騰や不足により入手困難となり、計画していた導入が困難であった。人件費・謝金については、システム開発が試行段階で あったため未使用となった。 導入・使用を見合わせたものについては今年度の実施を検討する。また、1年期間延長としたため、報告書の作成および印刷を次年度に行う。加えて、念頭に適正な支出計画を検討したい。
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Research Products
(4 results)