2023 Fiscal Year Annual Research Report
内視鏡を用いた3次元胃形態計測システムの開発:胃もたれの病態解明と診断への挑戦
Project/Area Number |
21K12737
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
鈴木 翔 国際医療福祉大学, 医学部, 教授 (50813581)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
紋野 雄介 東京工業大学, 工学院, 特任准教授 (10744477)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 内視鏡 / 消化管 / 内圧 / 3次元 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、胃の形状・容量・内圧を解析し、この3つのパラメーターを統合して評価するシステムを開発することである。また、開発機器が、機能性ディスペプシアの診断評価指標の一つになることが最終的な目標である。本研究期間を通じて胃や大腸などの消化管の内圧と容積(内視鏡からのガス注入量)の測定に成功した。しかし、これらの測定値と消化管の3次元形状とを統合した評価は困難であった。統合が困難であった理由は、胃の3次元形状が複雑で個人差が大きく、また内視鏡中の胃蠕動が強く正確な測定が困難だったためである。現状では胃の3次元形状の計測にStructure from Motion技術を使用しているが、この技術では計測に時間がかかることが欠点であり、3つのパラメーターを統合するのに十分な計測ができなかった。本研究の過程で成功した機械学習を用いた仮想の色素内視鏡画像は、Structure from Motionよりも短時間で胃3次元形状を再現できることから、今後はこの機械学習モデルをベースに3次元形状の解析に取り組む予定である。また、我々は本研究から派生したこの仮想色素内視鏡が胃癌の診断に役立つ可能性について知見を得た。さらに、我々は本研究を通じて取得した消化管内圧と容量測定手法を大腸に流用し、大腸内視鏡挿入時に内圧とガス注入量の測定が手技の改善に役立つ可能性を見出した。以上のように、今後は胃の機能性ディスペプシアだけではなく、胃癌や大腸内視鏡など様々な疾患や臓器に研究成果を波及させることを目指す。
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