2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of an Indoor Anomaly Detection System using Plant Sensors with Deep Learning
Project/Area Number |
21K12795
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
南保 英孝 金沢大学, 電子情報通信学系, 准教授 (30322118)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 植物生体電位 / 室内モニタリング / 異常検知 / 深層学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
植物生体電位を用いた異常検知センサの開発のため、昨年度に引き続き、以下の内容を検討・実施した。 植物の周囲の環境が安定している平常状態を正常な状態と考え、平常状態の生体電位を約6時間測定した正常データを収集した。収集したデータを一定の幅で分割したデータを1件のデータと考え、データから電位振幅画像と3種類のスペクトル画像(位相、振幅、周波数)を合成したスペクトル合成画像を生成した。これらの画像を相互変換できるように新たに考案したDiscoGANに基づくネットワークを構成した。このとき、通常のDiscoGANとは異なり、識別器を用いずに相互変換を繰り返した後の出力結果が入力に近づくように学習を行うように変更した。また、従来は入力と出力の差分により異常検知を行っていたところに識別器を導入した。結果として、異常検知の精度が向上し、正常データの識別率が約80%、異常データの識別率が約86%と向上した。本成果は2022年度センサシンポジウムにおいてポスターセッションで発表した。さらに、学習時にノイズを加えることでさらに精度が向上する手法を考案し、現在論文誌に投稿(査読中)している。 検知アルゴリズムの検討に加え、今年度は一般的な家庭において、リビングに植物を設置し通常の生活を行う中で植物生体電位の経時的な測定を行い、より現実的なデータを収集した。データ量は約1週間分であり、次年度はこのデータを用いて構築したアルゴリズムの検証を行い、異常検知センサの完成を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
植物生体電位を用いた異常検知センサの開発において、生成系の深層学習アルゴリズムを用いた異常検知手法の適用を検討した。 昨年度から引き続き、異常検知アルゴリズムの構築を行っている。昨年度はDiscoGANを用いたアルゴリズムを検討したが、精度が低いという問題があった。今年度は、生体電位から生成した画像に基づいて異常検知を行う方針は同じとしつつ、昨年度とは異なるDiscoGANに基づいた検知アルゴリズムを構築し、精度の改善を図った。その結果、昨年度と同じデータを用いて学習、検証を行った際の異常検知の精度が約86%となり、十分な精度が得られたと考える。また、さらに精度を向上させる手法を検討、構築している。異常検知アルゴリズムの構築を進めることと平行し、一般家庭における植物生体データの収集も行い、現実的な環境下でのデータを用いたアルゴリズムの検証、改良などを行う準備を整えた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の成果として、DiscoGANに基づく新たな異常検知アルゴリズムを構築し、異常検知精度の改善を図った。また、一般家庭における新たなデータの収集を行った。次年度は、収集した新たなデータを用いたアルゴリズムの検証を行う予定である。新たなデータを用いた際には、実験室で測定したデータとは異なるため、精度の問題が生じることが予想される。この問題に対しては、現在新たに構築したアルゴリズムを適用するなど引き続き精度改善を行う必要があり、更なるデータ収集の必要性も検討していく。他にも考えられる精度改善手法を検討し、現実的なデータでも十分な精度を達成する異常検知アルゴリズムを構築する。そして実用的な室内異常検知モニタリングを可能とするシステムの構築を行う予定である。
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