2021 Fiscal Year Research-status Report
Qualitative research on the professional identity of music therapy as a clinical discipline after COVID-19
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21K12897
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
山本 里花 (生野里花) お茶の水女子大学, 基幹研究院, 基幹研究院研究員 (00793960)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 音楽療法 / COVID-19禍 / 音楽を経験すること / 関係 / インタビュー / 質的分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、COVID-19禍以降の音楽療法対象者への継続的かつ質の高いサービスの提供と音楽療法の職業的アイデンティティに関する領域内外の対話的議論の活性化を目的とし、療法実践者の経験と洞察のインタビュー収集と分析を行っている。 【理論的背景の確認】まず、理論的背景として用いるBruscia “Defining Music Therapy”の関係箇所ついて、第2版(1998)と第3版(2014)の照合比較を行った。関連して、国立音楽大学音楽文化教育学科にて招待講義を行った(「ブルシアの『音楽療法を定義する』と仲良くなる」。) 【倫理審査委員会承認と予備インタビュー2例の実施】お茶の水女子大人文社会科学研究の倫理審査委員会に申請・承認と並行して、予備インタビューを2例行った。この検討から、インタビューガイドを作成した。 【本インタビュー3例の実施】まず2例を人選してインタビューを行ったところでさらに検討を重ね、3例目を行った。ここから一定のデータの類似性や多様性が得られた他、この先の人選への展望も得た。 【質的研究方法の試行と選択】本研究の目的や、現在までに得られたデータの内容的性質に照らして、分析方法を検討し、その中から、「現象学的マイクロアナリシス」と「グレイザー派グラウンデッドセオリー」を試行した。その結果として、「個々のインタビュイーのデータをグランデッドセオリーで分析し、個々の経験の独自的な質を浮かび上がらせること」という本研究の基本方針を定めた。個々の分析に続く手順としては、「個々インタビュイー間の分析結果を比較・参照して広く論じること」と「インタビュイー全員のデータを混合させてひとつの理論に導くこと」の二通りを可能性として残した。 【著述】研究プロセスから得られた洞察をもとに「理論の森と、自分の声」(日本音楽療法学会ニュース42号、巻頭言)を執筆、掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究協力者との密接なコミュニケーションをいかして、対話による研究の順調な推進が可能になっている。 研究プロセスを専門領域コミュニティに開くまでに至らなかったことが反省点である。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、以下を進める予定である。 まず、すでに取れている3例のインタビューの分析と、補足インタビューや補足インタビュイーの必要性の検討と実行を進める。 また、これまでの部分的な結果を、日本音楽心理音楽療法懇話会 第364回講習会シンポジウム「コロナ禍における音楽療法士の職業としての在り方~実践・研究・施設の視点から~」(2022年7月)にて、「私たちは、音楽療法の何を手放し、何を守るのかー『COVID-19禍以降の音楽療法領域の職業的アイデンティティに関する質的研究』よりー」として発表するのを皮切りに、日本音楽療法学会九州支部大会講習会(2023年3月)での講義などに反映させていく。また、日本音楽療法学会第22回学術大会(2022年9月) 口頭発表、第17回世界音楽療法大会(2023年7月)ラウンドテーブルへの応募を行い、機会が与えられれば発表を行う。 さらに、ホームページ等による、日常的な専門職コミュニティとの共有・対話を検討する。
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Causes of Carryover |
COVID-19禍の状況等により、旅費が生じていないこと、必要な物品の購入が遅れていることなどによる。
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