2021 Fiscal Year Research-status Report
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21K12937
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Research Institution | Kurume National College of Technology |
Principal Investigator |
鴨川 都美 久留米工業高等専門学校, 一般科目(文科系), 准教授 (20757546)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 村山知義 / プロレタリア演劇 / 演劇運動史 / 東京左翼劇場 / 新協劇団 / 東京芸術座 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、美術、演劇、文学、映画、建築を横断的に奔走した村山知義(1901~1977)の1920年代後半のプロレタリア演劇隆盛期から1970年代までの一貫した労働者のための演劇運動を総括し、最終的に「村山知義著作・活動目録」をまとめることを目的としている。 2021年度の活動において、当初の予定としては、村山知義の著作物、村山関連の演劇運動史についての資料等の収集、整理を掲げていた。しかし、昨今の新型コロナウイルス感染拡大により移動が制限され、早稲田大学坪内博士記念演劇博物館、国立国会図書館(東京本館、関西館、国際子ども図書館)、公益財団法人松竹大谷図書館、日本近代文学館、神奈川県立近代文学館等へ赴いての調査が困難となった。そのため、予定を一部変更し、これまでに収集した著作物や資料の整理・データ化、目録の作成を中心に作業を進めた。 対象の主な時代区分としては、1934年以降の新協劇団時代、1959年以降の東京芸術座時代である。この時期の著作物や資料を整理し、目録を作成するだけでなく、演出や舞台装置等の仕事の記録と併記した年譜を作成段階である。完成すれば、商業演劇の演出を行う傍ら、労働者を描き、資本主義の闇を浮き彫りにするという社会派演劇を創造するという二面性を照射する一助となるであろう。 なお、9月には昭和戦前期プロレタリア文化運動資料研究会にて「1970年における村山知義の「女性」と「運動」―『女だけの砦』と脚色『太陽のない街』を中心に」の研究発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
村山知義の著作物や活動については、新聞、雑誌、劇団や組織のニュースを含めると膨大な数にのぼり、時代ごとに執筆可能な媒体をひとつひとつ拾い上げて、確認しなければならない。しかし、2021年度は移動の制限により、資料等の調査・収集が滞る事態となった。ただし、「研究実績の概要」で説明した通り、当初の予定に変更が生じたものの、すでに収集していた著作物と活動の記録があったため、これらの整理、データ化、目録作成に注力することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、前年度に作成した目録を基に、残りの著作物や資料の調査・収集を行う予定である。訪問先としては早稲田大学坪内博士記念演劇博物館、国立国会図書館(東京本館、関西館)、公益財団法人松竹大谷図書館、日本近代文学館、神奈川県立近代文学館等を予定している。9月末までに1934年以降の著作物や資料の調査・収集を終え、10月からはそれらの整理、データ化、目録作成を中心に作業を進めていく。 また、総目録の作成は、村山知義の全仕事の整理だけでなく、1940年前後の朝鮮との繋がりを明らかにする目的もある。そのため、2022年度は韓国での調査を予定している。
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Causes of Carryover |
昨今の新型コロナウイルス感染拡大により移動が制限され、早稲田大学坪内博士記念演劇博物館、国立国会図書館(東京本館、関西館、国際子ども図書館)、公益財団法人松竹大谷図書館、日本近代文学館、神奈川県立近代文学館等へ赴いての調査が困難となった。そのため、予定していた出張費の執行ができなかった。
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Research Products
(1 results)